そろそろ灯してみようか……! スウェーデントーチ

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 2020年10月28日更新

 今年もまだ2か月あるけれど、私の中の今年の新語・流行語大賞は「スウェーデントーチ」だ。キャンプやアウトドア好きの人は知っているかもしれないけれど、6月に初めて耳にして、いろいろ話を聞くうちに「それじゃ、一つもらおうかしら」となり、手に入れた。眺めているだけでも結構ワクワクする。言葉の響きも気に入っていて、新語・流行語大賞と言いたくなった。教えてくれたのは、長浜市で地域おこし協力隊として活動している堀田涼介さん(27歳・余呉町下余呉)だ。
 スウェーデントーチは、切り込みを入れた丸太を燃やすもので、焚火として暖も取れれば明るさもあり、調理もできるそうだ。スウェディッシュトーチとかウッドキャンドルとも呼ばれ、北欧では古くからあったそうだ。堀田さん自身も昨年春ごろに知ったと言われ、日本ではまだ知る人は少ないかもしれない。

 堀田さんは森林整備で手に入れた風倒木を素材に、チェーンソーで切り込みを入れた後に乾燥。ほとんどが杉で、直径15〜20センチ、長さは30〜40センチの丸太だ。堀田さんはいろいろな木を試した結果、杉が適していると感じている。風倒木は圧倒的に杉が多いのも理由の一つだ。広葉樹に比べて針葉樹の方が燃焼温度は高く、燃焼時間は短いと言われているそうだ。
 火をつける前に準備したいのはキャンプ台などの受け皿。その上にスウェーデントーチを据えたら、上部に焚き付けとなる小枝などを置く。堀田さんは「ジェル状の着火剤を溝に流したり、紙製の固形燃料を使うと良い」と教えてくれた。
 トーチに火が付けばあとは勝手に燃えてくれる。五徳を置いて鍋やフライパンでの調理も可能。ただし、金属は当然熱くなり触れることは難しくなる。燃焼が進めばトーチは崩れ落ちるので、調理をするなら初期段階で、それなりの準備が必要になる。
 燃焼時間は大きさにもよるが約2時間。途中で火を消さなくてはならない場合には、中央に水をかけると良いそうだが、いずれにしても火を付ける際には不測の事態に備え必ず消火用の水の準備は必要だ。最後までしっかり燃やしたいときには、トーチをひっくり返したり、倒したりすると効果的。
 途中で消火した場合、残った部分は植木鉢として使えるとか、消し炭を畑や家の周辺にまくとか、燃焼後の使いみちもあるのは自然素材ならではだ。

 現代は、屋外と言えども焚火をするのは難しく、場所探しから始めねばならないが、「かなり暖かい」と堀田さんから聞き、そろそろ寒さを感じる季節になり灯してみたくてしようがない毎日を過ごしている。ほっこりしながら揺らめく炎が見てみたい、一人じゃもったいないから誰かと一緒に……。
 インターネットで検索したら、災害用に備蓄するのもおススメらしい。しばらくは眺めてニヤニヤしていようか……スウェーデントーチが一つあるだけで、今年の秋はほっこり気分が満載だ。

 

堀田さんはスウェーデントーチの販売も行っている。
お問い合わせは、ryochang_daccha_0812@yahoo.co.jp

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

編集部

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