ゑびす講のこと
もうすぐ11月である。最近はインターネットの進化とSNSを利用する人々によって、地域だけでなく世界中で何が起こっているのかを知ることが可能になった。
昔は……、と話し始めると本当に年寄りになったような気分になるので嫌になってくるが、昔は……、と言ってもここ30年くらい前のことだ。11月の地方都市の最大のイベントといえば商店街の「ゑびす講」だった。彦根のゑびす講は琵琶湖の対岸からも船でやってくるほど盛況で、人気があったらしい。
商店街の大売出しイベントのようだが、「ゑびす」というからには、元々は神事だったはずだ。個々の商店には神棚があり恵比寿様をお祀りしていただろうことは容易に想像がつく。
キャッシュレス化が進んでいる。僕のスマホにもいくつかのアプリをダウンロードしてある。コンピュータの画面をワンクリックすれば翌日には商品が届く便利な時代である。
僕はそういう時代の進歩を嘆いているわけではない。商売繁盛に手を貸してくれた恵比寿様を心配しているのだ。新しい御利益を考えていらっしゃるのだろうか……。
来月は、恵比寿様や大黒様について考えてみたいと思っている。
【小太郎】