令和元年一日、多賀へ行く!
「朔日」とは、太陰暦の月の第一日をいう。「さくじつ」或いは「ついたち」と読む。暦が月の満ち欠けによりできていた時代、月の一日は必ず朔(新月)の日から始まるようになっていた。だから朔日は一日なのである。
毎月一日に神社にお参りすることを「お朔日参り」という。無事に1ヵ月を過ごせた感謝と、新しい月の平穏無事を神さまに祈る。月の満ち欠けは今でこそ、その原因はわかっているが「朔」は新月、月が生まれる日である。昔の人は霊力に似たものを感じたことだろう。
多賀大社でも毎月一日に「お朔日参り」が行われている。近くに暮らしていても、知らないでいることは多い。
午前7時からお祭り(特別祈願祭)が始まる。ご祈祷を望む者は住所と氏名を書いて昇殿することができる。そして、昇殿した人全ての住所と名前が神様に伝えられる。
多賀大社のお朔日参りではその月の季節の色を表す御幣をいただくことができる(200円)。毎年12色の御幣(神の依代)を集めるのを楽しみにしている人も多いだろう。ちなみに、五月は山吹(黄色と緑)である。
さて「令和元年一日」、特別な日である。山吹の御幣も数に限りがあるから手に入らないかもしれないが、それでも連休真っ只中多賀へ行く! 午前7時に間に合わなくても、お朔日参りに行く価値はある。
1月を除く毎月一日、午前7時から10時頃まで多賀大社門前で「おついたち市」(多賀門前町共栄会主催)が開催されているが、令和を記念してこの日は午後3時まで時間延長して行われることになっている。
また、5月1日から「叶絵馬すたんぷ巡り ~かさねて かなえて ねがいごと」という新しいイベントが始まる。
まず、多賀町観光案内所(多賀町多賀389-1)または近江鉄道多賀大社前駅観光案内所で「絵馬札セット(叶絵馬と絵馬札)」(700円)を購入する。
叶絵馬は、「多賀結び」という延命長寿を願う飾り結びで結わえた絵馬だ。紐の色は12色。多賀大社12の境内社の御利益に対応しているので、叶えたい願いの色の多賀結びの叶絵馬を選ぶ。多賀大社の門前町絵馬通りを巡り6か所のスタンプを叶絵馬に重ねて捺す。重ねて捺すことで一枚の絵が完成するようになっているところが楽しい。
そして最後に絵馬札に願い事を書き「叶・多賀門」に結ぶ。叶絵馬は記念に持ち帰ることができる。お問い合わせは多賀観光協会(0749-48-1553)。
令和元年一日、願いを重ねた特別な叶絵馬を手に入れるつもりだ。ちなみに、伊勢神宮のお朔日参りでは、毎月「お朔日餅」が販売されていると聞いた。多賀門前町の「お朔日餅」や「お朔日○×▽」など、いろいろな特別ができればいいなと……。わがままである。
【小太郎】