道に至る

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2018年7月3日更新

 漢字には、そのひとつひとつに意味があり成り立ちを探っていくと面白い。昔、「道」という漢字が気になり博識の友人に尋ねたことがあった。部首の「しんにょう」は、「ぶらぶらすること、行くことと止まることを意味している」という。「道」は、「しんにょう」+「首」で、気持ち悪い文字のひとつになった。以来、華道、香道、書道、剣道、弓道など日本の文化は何故「術」ではなく「道」なのか……、今でも疑問だったりする。
 なるほどと思ったのは『弓と禅』(オイゲン・ヘリゲル著)の文章だった。スティーブ・ジョブズの愛読書である。「日本の弟子は三つのことを身につけてくる。善いしつけと、自分の選んだ芸術に対する情熱的な愛と、師に対する批判抜きの尊敬とである」、「まず弟子は最初、師がやって見せることを、良心的に模倣すること以外には、何一つ要望されることがない」ということが書かれている。師のやって見せたことを模倣し、「術」ではないところで師の域にまで達し、越えるのが「道」なのかもしれない。奥義を手にしオリジナルを創造する過程に、模倣という反復練習がある。
 前置きが随分長くなったが、彦根で前田鎌利師の書道塾「ひこね継未塾」が月に一度行われている。7月で既に4回目となる。年度途中の入会も可能だ。
 前田師は、2010年にソフトバンクアカデミアに第一期生として所属し、初年度首席の成績を修める。2014年に独立起業、書道塾 継未-TUGUMI-を設立した。
 書道塾の経営、作品制作、個展、Work Shop等を通じて日本の伝統文化である「書」を未来を担う子ども達へ、そして世界へ継いで行く事を志としている。ソフトバンクアカデミアの実績より、新たな念い(おもい)の表現ツールとしてプレゼンテーション講師を務めている。ベストセラー『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)の著者として師の名を知る人も多いだろう。
 7月は「名前を極める」がテーマ。前田師は「おそらく、今までで一番書いてきたのが名前にも関わらず、皆さんが口をそろえて名前が苦手ですとおっしゃいます。たくさん書いてもダメなのです。そもそも名前は自分自身を示す大切なアイデンティティーのひとつ。あなたには、なぜその名前が贈られたのか? あなたの名前に込められた両親・親族の方々の念いは何なのか?〝意識〟して名前を書いてみると、さんざん書いてきた自分の名前がどこか少し違って見えてきます。まずは、丁寧に書くことを意識するということです。丁寧さには念いが込められます。」また、 「書は刻む事である。それは、その時の心の揺れや念いを文字として書き留める事である」といわれる。多分、これが奥義に至る道だ。
 人生、誰と出会うことができるかで、その豊かさは決まるように思う。善いしつけと、自分の選んだ芸術に対する情熱的な愛と、師に対する批判抜きの尊敬。
 勝手な解釈だが、「道」は首を定め「行くことと止まること」を永遠に繰り返すことなのではないだろうか。僕は、既に「刻む」の奥義を得るために継未塾の書道セットを購入している。

 

2018彦根プレミアム書道塾 「ひこね継未塾」受講生募集中!!

書家/継未-TUGUMI-代表 前田鎌利師から、直接指導を受けることができます。

第4回 2018年7月21日(土)「名前を極める」 彦根商工会議所4階大ホール
第5回 2018年9月22日(土)「オリジナルゴム印作成」 彦根商工会議所4階大ホール
第6回 2018年10月20日(土)「日下部鳴鶴フィールドワーク」 会場未定
第7回 2018年12月22日(土)「一年内観」彦根商工会議所4階大ホール
第8回 2019年1月19日(土)「書き初め」彦根商工会議所4階大ホール
第9回 2019年2月16日(土)「つまみ細工」千代神社 参集殿
第10回 2019年3月16日(土)「奉納写経」千代神社 参集殿

7月、事前に入塾申し込みをしていただいた方には、前田鎌利師の直筆のお名前のお手本をお渡しします。

入会金 5,000円・受講料 1回3,000円
定員 40名(定員になり次第締切)

お問い合わせ・お申し込み

彦根商工会議所  TEL: 0749-22-4551

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

雲行

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