櫂路を歩む

takumi apartment

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2017年8月1日更新

 初めまして。櫂路(かいじ)と名乗っております。「櫂路」は私の恩師にいただいた二つの漢字で、櫂=水をかいて舟を進める道具、路=人や車のゆききする道筋、事のすじみち、道理。自ら進む道筋や道理を自ら作ったものでひと掻きひと掻き進んで行きなさいということ、だと理解している。
 「櫂路が営み、実験している取り組み」のひとつに「takumi apartment」がある。
 takumiとは、日本語表記すると「匠」や「巧」を想像する人が多いだろう。しかし敢えて私は「工」と書きたい。「匠」のデザインという意味や「巧」の優れた技のような意味合いの以前に、「工」の創造が重要なのであるように思うからだ。故、「工 apartment」である(個人的な拘りに過ぎないが)。
 apartmentとは、「賃貸住宅」や「集合住宅」を思い浮かべる言葉である。語源は、分割、共有を意味する「part」から、中世ヨーロッパでお金のなかった若いアーティザンやプレイヤーが一つの土地や建物を分割、共有して生活した場所を「a part ment」と呼んだことにある。

 私はこの土地(工 apartment)に、分ける・分析する・集まる・場所・住居・居場所……といった意味を持たせたい。
 「takumi apartment」には現在、天保7年(1836)建築の太い丸太をふんだんに使った蔵アパート2区画に個性豊かな二人が住み、道路に面した町家を改装したビストロ「dub plate」がある。そして、アトリエに最適な独立した蔵には現在、住人はいない。どの建物も梁や柱から築174年の風合いが垣間見える構造となっている。
 100年以上前の手仕事による職人技の結晶が古民家や町家だとするなら、今、彦根のレガシーである町家を如何に生活に根付いた形で遺していけるか……。櫂路を歩み、水面に滴を落とし波紋となって広がっていく仕組みを創りたいと念っている。
 僭越ながら私は、日本・近江・そしてこの彦根を誇りに思っている。日本人が世界に誇れるものは最も日本らしいモノやコトであると本気で信じている。同様に、彦根人が世界に誇れるものは最も彦根らしいモノやコトであると信じている。
 マニアックで、クリエイティブな人々が、ヒストリカルで、オーセンティックな町を未来永劫、時代に合わせてリノベーションしながら創っていってほしいと切に願っている。

櫂路

takumi apartment

滋賀県滋賀県彦根市大橋町18
tel.090-9695-0814
http://takumiapartment.com/

築170 年の蔵の雰囲気を残しつつ、様々なsence を取り入れてリノベーション。イメージを膨らませば様々な活用の可能性があります。あなたのsence を実現し、one & only のajito になることは言うまでもありません。Shop、Atelier、Gallery、Office などにぜひご活用ください。蔵テナント入居者募集中!!

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

編集部

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