鏡文字の謎!?
東近江市杠葉尾町 春日神社
「杠葉尾」と書いて「ゆずりお」と読む。「杠」の読みはなかなか難しい。
早朝、杠葉尾町に僕は玉露の茶摘みの見学に訪れた。山々が美しく、車を捨ててふらりふらりと旧街道を歩いた。青い五月の空に春日神社の神木だろう大樹の緑が映えていた。
参道の石畳を歩いていくと灯籠が左右に一基ずつ、右側のそれに違和感があった……。「御神燈」の文字が鏡文字(裏文字)になっていた。境内には他の灯籠もあるのだがこの一基だけが側面の奉納年なども全て鏡文字になっている。何故そうする必要があったのだろう……。
幾つかの仮説をたてた。
- 杠葉尾の春日神社では、鏡文字の灯籠を使って何らかの儀式を行った。
- 灯籠を依頼された石工が、半紙に書かれた文字の裏と表を間違えて写して彫った。
- 神様から見て正しく読めるように鏡文字にした。
- 「左馬」の縁起にならって、鏡文字にした。「左馬」というのは、「馬」の字を左右逆に書いた文字のことで縁起物とされている。「左馬」の由来はインターネットで検索すると数多くヒットするので、ここでは説明を省くが、招福、金運、商売繁盛などの御利益がある。
4つの仮説のうち、3・4の可能性が高いのではないだろうか。個人的には③である。神様に奉納するわけだから、神様とって読みやすい文字にするという理屈は在っても良い。
但し、もしもそうなら一基だけというのが説明がつかなくなる。その点④ならば、「とりあえず一基だけ縁起をかついでおこうか」と鏡文字にしたというのも納得がいく。
いずれにしても、茶摘みが終わるまでに杠葉尾で確かめなくてはなるまい。今年はあと2回、政所や君ヶ畑に行くことになっている。
【風伯】