まちの風景は現代アート
まちの風景は面白い。面白さは個人的なもので、万人が認めるものではないし、時には同じ景色であっても、悲しいと感じる人もいるに違いない。また、僕自身の気持ちの動き方で、+にも−にもなる。
中山道を車で走って歌詰橋を越えた辺りで現代アートのような景色に出会った。歌詰橋は、平将門の首を京に運ぶ途中、首が目を開き、襲い掛かってきた。「歌を詠んで欲しい」と頼むと首は言葉に詰まって地面に落ちたという伝承のある場所だ。怪異スポットとして注目しているので、この辺りは徐行運転の如くゆるゆると走るのが常である。
不思議なもので、視線の運びや光の具合が違っているのだろう、以前からそこにあった景色の中に新発見がある。或いは、新発見だと思うことができるまでに成長した自分が存在するのかもしれない。
この日は、古い蔵に現代アートのようなペットボトルを発見し、並べられたそれを面白いと思った。同じ形状のモノがたくさん並ぶと心が動く。そういう近江の写真集があってもいいかなと最近思っている。
【小太郎】