彦根で坐禅体験
先月23日から「彦根プレミアム体験」と題して「袴」「鎧」「坐禅」の3つの体験イベントが始まった。
なかでも注目は坐禅。近頃メディテーションがブームで坐禅というものを一度はやってみたいと思っていたのだが、なかなか敷居が高かった。参禅会も近所のお寺で行われているのだが、突然に行くのもなんだか大丈夫かなと心細い。「彦根プレミアム体験」はそういう僕にとってうってつけの体験メニューだった。しかも、体験料1回千円(1時間程度・入館料、消費税込)と格安なのである。
ところで、坐禅体験ができるお寺はというと、清凉寺・龍潭寺・長松院、いずれも井伊家縁の寺であり、個人の興味の持ち方次第で何処までも深く、奥行ははかり知れない。
簡単に説明しておくと、清凉寺は曹洞宗の禅寺で井伊家の菩提寺。井伊直弼もここで修行をしている。百人詰の坐禅堂があるほど修行道場として有名で、彦根プレミアム体験は、この坐禅堂で行われる。
龍潭寺は井伊直政が佐和山城主となったとき、井伊谷から分寺し建立した臨済宗の古刹である。禅宗の大学寮があり、その中に造園を学ぶ園頭科(おんずか)があった。名庭を前にした坐禅体験は格別なものになるだろう。
長松院は、井伊直政を火化した善利川の中洲に建てられた寺で、曹洞宗の古刹である。佐和山の麓にある清凉寺、龍潭寺に比べると彦根のまちな
か(中央町)にありアクセスが良く、夜(18時もしくは19時スタート)にも坐禅体験ができるというからうれしい。
京都で坐禅体験ができる寺のほとんどは臨済宗の禅寺だが、彦根は曹洞宗の総本山永平寺(福井県)の影響も色濃く、曹洞宗の禅体験ができるのが魅力だ。
臨済宗は、一休さんや沢庵和尚で有名なように、市井の中で生きる在野の宗派である。それに対して曹洞宗は、総本山永平寺の只管打坐(ただひたすら坐ることに集中する)に代表されるように、俗世を離れて山奥で静かに自分と向き合うタイプの宗派だ。
「彦根プレミアム体験」の「坐禅」をどんなふうに楽しむのも自由だが、3つの寺の三様の坐禅体験が良いのではと思っている。
彦根プレミアム体験 「坐禅」
2016年11月23日〜12月25日
体験料 1回1,000円(入館料、消費税込み)
体験時間 7:30〜20:00のうち、1時間程度(受付後禅寺と調整させていただきます)
● 清凉寺 彦根市古沢町1110 / 時間は応相談
● 龍潭寺 彦根市古沢町1104 / 10人から受付可 / 7:30〜8:30
● 長松院 彦根市中央町4-29 / 13:00〜20:00
ご予約は体験日の3日前までにご連絡ください。
直前の受入が可能な場合もございますので、ご要望があれば事務局までご連絡ください。
法事や冠婚葬祭等の関係により、当日禅寺の変更や受入不可となる場合がございます。予めご了承ください。
店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。
【雲行】