霊仙絶景

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 米原市 多賀町 2015年9月23日更新

 9月5日土曜日午前9時、晴天の青空の下、僕は霊仙山最高点1094メートルの頂に立っていた。目の前に広がるカレンフェルトと呼ばれる浸食された石灰岩が点在する広々とした草原は、どこか遠くの本格的な山岳地帯に来ているようで、とても滋賀県内の、それも登山口まで車で30分ほどの近所の山に来ているとは思えないくらいの絶景だった。こんな素晴らしい景色が身近にあったなんて今までの人生損をしてたなとさえ思った。まだ時間が早かったせいか他に登山者はおらず、僕はしばらくの間、この絶景を独り占めした。
 実は、霊仙山には、去年から登りたいと思って何度かアプローチを試みていたが、天候が悪かったりタイミングが合わなかったりしてなかなか登れないでいた。今年6月には今回と同じルートで登りはじめたものの、山頂付近が濃い霧に包まれて暴風が吹き荒れていたため途中で引き返した。だから、この日天候に恵まれて山頂まで来ることができたのは、本当に嬉しかった。まさに念願の快晴の霊仙山だったのだ。
 今回のルートは、多賀の今畑登山口から西南尾根を登り最高点を経て山頂、経塚山へ、下りは米原の榑ヶ畑方面へ向かい汗拭峠から多賀の落合へ下り今畑に戻ってくるという周回コース。一周約12キロ、「山と高原地図」のコースタイムで5時間弱といったところだ。山頂に立つのが目的なら榑ヶ畑から往復するほうが手っ取り早いが、やはり西南尾根の岩稜歩きは霊仙の醍醐味の一つ。この周回コースはおすすめだ。
 全体的に危険な箇所はないが、西南尾根の登りで一度、落合へ下る沢沿いで一度、踏み跡を見失いひやっとする場面があった。幸いすぐに気がついて地図を確認して引き返し、正規のルートに戻ることができたが、山での油断は禁物だと思い知らされた。
 また違う季節に再び訪れてみたい。きっと霊仙は違う表情を見せてくれるに違いない。そして、もっと経験を積んで、いつか雪の霊仙にも挑んでみたいと思っている。

はじめ

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