河内元行者窟
久し振りに夏の終わりの林道を走った。ゆっくり走るのは時間を忘れ楽しいものである。季節が異なればまた違った風景を魅せてくれるだろう…、また訪れてみたいと思った。
最も印象深かったのは突然視界に入った「赤い実」だった。名前を知らなかった。あまりに意外でキレイだったので写真を撮り、帰って調べてみると「ガマズミ」の実だと判った(多分、そうに違いない)。里山には普通にある木で、実は晩秋に熟し食べることもできるという。焼酎に漬けたり染料にもしたそうだ。人の暮らしに近いところにある木なのである。経験的に「ガマズミ」の実が有益だと知っていたのだろう、実にはポリフェノールや数種類のアントシアニンも含まれ、健康食品としても注目されているらしい。
そして、もうひとつ心に残った風景は、その先に何があるのか知りたいと思った「河内元行者窟」だった。川を渡った先に鳥居があり、その急斜面を登った先に「窟」があるのだろう。I’ll be back!! 僕には必ず辿り着くことができる予感がある。
屋外は実に面白い世界が広がっている。知らない時代に生きた人々の痕跡が残り、辿っていくと現代に至るのだ。そして全く未知の結末が待っている。まるでバーチャルなゲームのようである。たった一度きりで、リセットはきかいないけれど。
【編集部】