千年菩提樹
百済寺
先日、百済寺を訪れる機会があった。百済寺の山号は「釈迦山」。釈迦の名をいただく唯一の寺である。推古14年(606)、聖徳太子により創建されたと伝わる。本尊は十一面観世音菩薩、湖東三山の最も南に位置している。
本坊横に満開の菩提樹があった。中学生の頃から何度も訪れたことのあるお寺だが、菩提樹の花にであったのは初めてだった。桐や椎、栴檀(センダン)にしても、樹は花が咲かないとそれと判らないのが何とも情けない。菩提樹は見事で芳香が今も記憶に残っている。
「千年菩提樹」は、本坊から参道を200メートルほど登った本堂横にある。周囲5メートル。直径1.6メートル。訪れたときはまだ五分咲きくらいだったが、7月初旬には満開のことだろう。
「千年菩提樹」は天正元年4月7日の織田信長の焼き討ちを生き延びている。幹は焼けたが根までは及ばず、再び甦ったのだ。中央に80センチほどの空洞がある。焼き討ち当時の幹の直径に相当するのだという。
今度は千年菩提樹の芳香に包まれたいと思っている。
滋賀県東近江市百済寺町323
TEL: 0749-46-1036
店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。
【風伯】