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彦根市の記事一覧

  • 2014年11月5日

    「旭の森」の由来 まち・文化

     彦根に「旭の森」という美しい町名がある。城下町に由来する町名でも、幾度となく行われた町名変更によって名付けられたものでもない。僕は彦根の近代化遺産を調べていた時「旭の森」の由来を知った。  始まりは、彦根東高等学校の作法室からだ。少し長い話になる。  大正6年(1917)、湖東平野で秋季陸軍特別大演習が行われた... 続きを読む

  • 2014年10月27日

    古民家で聴く、ウィーン仕込みの歌声 ひと
    中嶋俊晴さん

     彦根市正法寺町出身、28歳の中嶋俊晴さんは、世界的にも希少な声種である「カウンターテナー」の歌手である。  小学生からピアノを始め数々の賞を受賞したが、高校生の時ミュージカルに夢中になり、声楽へ転向。関西の名門京都市立芸術大学を卒業し、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程に入学。京都市芸術文化特別奨励者に選ばれ... 続きを読む

  • 2014年10月17日

    青空ガレージから生まれるちょっと変わった車両たち お店
    PEAKS MOPED'S

     「モペッド」という乗り物をご存知だろうか。ペダルの付いた自転車バイクの総称で、「Motor(モーター)」と「Pedal(ペダル)」を掛け合わせて「Moped(モペッド)」という。主にヨーロッパで普及している乗り物だが、日本でも1950年代にホンダやスズキなどから発売され「バタバタ」とも呼ばれていたそうだ。  実... 続きを読む

  • 2014年9月30日

    三輪トラックのトルティーヤ屋台 ! お店
    ONO Thic's Tortilla

     8月下旬、夢京橋キャッスルロードに突如現れた三輪トラックの屋台。黄色と赤で彩られた車体には大きく「ONO THIC’S」と書かれている。三輪トラックの車両は、イタリア・ピアジオ社のベスパ・カー。荷台部分を改造して屋台仕様にしてある。見るからにアジアンテイストなその外観は、登場以来話題を呼んでいたよう... 続きを読む

  • 2014年9月29日

    湖水からの眺め まち・文化

     雨の多かった夏が逝った。突然、彼岸花が咲き始め残暑もなかった気がする。近頃、湖の風景がしみるのは思うようにならなかった夏のせいかもしれない。  僕は、彦根の長曽根にある波止めが大好きである。子どもの頃近くで育ったせいかもしれない。波止めはたくさんの思い出とともに僕の裡にある。正式な名を「波止め一文字」といい、近... 続きを読む

  • 2014年9月24日

    戦国の風雲児 織田信長。近江の地をいかに駆け抜けたか! まち・文化

     信長が天下統一を目指す道のりの中で、岐阜へも半日、京都へも半日で行けるという好立地であることから安土に城を築いたといわれている。その信長が近江で最初に拠点を置いたのが佐和山城、さらに佐和山・安土の中継点として、機能したのが山崎山城である。現在の彦根市の北から南に縦断して信長は天下統一への道を駆け上がっていった... 続きを読む

  • 2014年9月22日

    昭和天皇がお遊びになった「クロック」 まち・文化

    大正6年のパンフレット(部分)橋爪伸也氏蔵  昭和天皇の生涯を記録した「昭和天皇実録」が公開された。その中で幼少期の遊びとして「クロックノール」という記述がある。ネットの中でどんな遊びだったのか、話題になっている。「クロック」はカロムと同じく明治末期に日本に入ってきたボードゲームだ。「闘球盤」という名前で普及... 続きを読む

  • 2014年9月19日

    ふることふみ1
    『柘榴坂の仇討』ができなかった藩士 まち・文化

    廣福寺(神奈川県川崎市多摩区枡形6丁目7-1)  桜田門外の変で主君井伊直弼を守れなかった彦根藩士が、水戸浪士の生き残りの首を直弼の墓前に供えるためにその行方を追い続ける物語『柘榴坂の仇討』。  桜田門外の変の後、いつの間にか明治維新を迎えてしまったイメージが強く残っている彦根にとっては、幕末維新の彦根藩士の... 続きを読む

  • 2014年9月17日

    夏のおわり、秋のはじまり ひと
    廣中桃子さん

     できれば長く使うことができ、時とともにやがて古い友人になりうるようなものを生活に取り入れたい。心地よい生活を支えるよい習慣を助けてくれるような「よい品」を、と求める気持ちがある。  器と生活道具を扱う「The Good Luck Store」は、そんな気持ちに応えてくれる店だと思っている。作り手の手間ひまが感じ... 続きを読む

  • 2014年8月15日
    No Image

    水色の炎 まち・文化
    近江高校野球部の甲子園出場に期待す

     何かを忘れないでおこうとするとき、人の一生より何倍も長持ちする石や金属に文字や記号を刻む。そして大抵は、何年かすると、そこに何が記されているのか知ろうとする者にだけ、過去を、大切なものを語ってくれる。  2001年8月、甲子園球場は水色のユニホームに注目していた。私立近江高等学校(彦根市松原町)野球部が滋賀県初の決勝... 続きを読む

  • 2014年8月13日

    ライトアップは新しい命を建物に与える まち・文化

     滋賀中央信用金庫は平成16年(2004)7月20日に彦根信用金庫と近江八幡信用金庫が合併して発足、近江八幡市桜宮町に本店、彦根市中央町に本部を置いている。  銀座支店は銀座町の交差点の角にあり、建物は平成23年(2011)10月28日、国の有形登録文化財、同年12月20日、景観重要建造物に指定された彦根の... 続きを読む

  • 2014年7月16日

    夏はデリーに行こう! お店

     デリーは、インド&ネパールレストランで、ふらりと立ち寄ることがある。野菜カレーとチーズナンを注文することにしている。7月のスペシャルランチセット「フジャセット・1000円」(チキンカレーor野菜カレー・チーズナンorプレーンナン・炭焼きチキン・パパド・サラダ・ドリンク)が僕にはちょうどいい。  デ... 続きを読む

  • 2014年7月14日

    最新作 まち・文化

     昔買った本の帯に「最新作」と書いてあった。この本はどれだけ時間が過ぎても帯がある限り最新作なのだ。こうして考えながら原稿を書いている今、「最新作」の帯みたいだなと思っている。  僕は子どもの頃、多分小学校の2年生の夏休みくらいまで、世界との接続が上手くいかなかった。僕が眠るとき世界は眠り、目覚めると世界は動き始... 続きを読む

  • 2014年7月1日

    近代化遺産としての印刷物 1
    佐和山神社の行方 まち・文化

    『近江鉄道湖東御案内』部分(大正4年 吉田初三郎筆 個人蔵)  「近代化遺産」とは、一般的には幕末・明治維新から第二次世界大戦終結までという近代を物語る構造物のことをいうが、近代化の様子を知ることができれば、紙(印刷物)でも石でも何でも近代化遺産だと僕は思っている。そして、今注目は、観光パンフレットや鉄道沿線... 続きを読む

  • 2014年6月24日

    とくべつなかき氷 お店

     かき氷って、なんか特別な食べ物だ。夏にしか食べられないからだろうか。夏祭りの思い出につながるからだろうか。いずれにしても、あの綺麗な色の氷の山を崩し始めるとき、私の心はわくわくとして落ち着かない。夏の思い出をより鮮やかにするような、やっぱり特別な食べ物だと思う。  そんなかき氷のなかでも、とりわけ特別なかき氷が... 続きを読む

  • 2014年6月16日

    彦根で食べるダルバート! お店
    インド アジア ダイニング

    インド アジア ダイニングのダルバート  ここ数年で湖東・湖北にもインド・ネパール料理のお店が増えてきて、ナンやカレーといったインド料理もずいぶん身近になった。しかし、「ダルバート」が食べられるお店というのはなかなかない。彦根市立病院の向かいのビルの1階にオープンした「インド アジア ダイニング」は、このダルバ... 続きを読む

  • 2014年6月11日

    ラクウショウ まち・文化

     彦根・荒神山の麓、琵琶湖側に大きな沼がある。曽根沼という。彦根に住んでいながら訪れることのない場所だった。5月も押し詰まった午後、大切な理由があって沼の周囲を歩くことになった。そこで、石筍のような奇妙な瘤に遭った。近寄りがたい神聖なもののように思えた。  調べてみると、ヌマスギ(沼杉)という名を持つ樹木だと判っ... 続きを読む