青空ガレージから生まれるちょっと変わった車両たち

PEAKS MOPED'S

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2014年10月17日更新

 「モペッド」という乗り物をご存知だろうか。ペダルの付いた自転車バイクの総称で、「Motor(モーター)」と「Pedal(ペダル)」を掛け合わせて「Moped(モペッド)」という。主にヨーロッパで普及している乗り物だが、日本でも1950年代にホンダやスズキなどから発売され「バタバタ」とも呼ばれていたそうだ。
 実は僕も伊ピアジオ社の「チャオ」というモペッドに乗っている。先日、三輪トラック屋台「ONO Thic’s Tortilla」の小野さんの取材に伺った際、チャオに乗って行ったらモペッドの話題になり、彦根にモペッド専門のお店があると教えていただいた。小野さんのベスパカーの屋台の車両もそこで造られたものだという。

 早速、そのモペッド専門店を訪れてみることにした。お店の名前は「ピークス モペッズ」。彦根市役所の一本西側の通りに面したところ、湖東合同庁舎の建物のちょうど裏側にあたるところにある。お店とはいってもショールームがあるわけではなく、コンクリートで舗装された空き地に改造中の車両が所狭しと並び、奥に小さな小屋があるだけだ。小屋の壁に「PEAKS MOPED’S」と看板がかかっている。これまでに何度もこの道を通っているけれど、まさかこんなところにバイク屋さんがあるなんて思わなかった。
 この日も話の種に愛車のチャオに乗って来ていた。バイクを降りて「こんにちは」と敷地の中へ入って行くと、作業をしていた手を止めて迎えてくれた店主の寺村高幸さん。「うちは青空店舗なんで」と言いながらパイプ椅子を出してくれた。「その前に、チャオを見せてもらおうかな」寺村さんはそう言って、僕の乗ってきたチャオのところへ行ってひと通り点検すると、おもむろに工具を取り出して前タイヤの調整をしはじめた。「全体的に調子いいですね」。もうずいぶん長いこと乗りっぱなしでろくに整備をしていなかったので、その言葉に安心した。

 小さな乗り物、簡素な乗り物が好きだという寺村さんは、12年前にモペッドをはじめとするバイクや小型車両を扱うピークス モペッズをはじめた。以前は湖東町でやっていたそうだが、3年前に現在の場所に移転してきた。1980年代にホンダが発売した「ピープル」というモペッドの修理が有名で、全国から修理の依頼があるという。他にも、面白いものではガスのカセットボンベで動くバイクなんていう改造なんかも行っていたりする。バイク・モペッドの修理・改造ならなんでもOKだ。
 さらに、今年からは「ONO Thic’s Tortilla」のような屋台の改造車両にも力を入れている。2台目の車両も完成していて、こちらは原付四輪のアビー キャロットという車両をカフェ仕様にしたものだ。将来的には10台くらいに増やしたいという寺村さん。既存の店舗を持っている飲食店などがイベント出店する際にレンタルできるような仕組みを作っていきたいと話す。
 青空ガレージから生み出されるちょっと変わった屋台車両。寺村さんの話を聞きながら、彦根の街にこんな屋台がたくさんできたら賑やかになるなぁなんて考えた。
 僕はといえば、チャオの整備をしてもらえるところが見つかってほっとしている。寺村さんにはこれからもお世話になりそうだ。

PEAKS MOPED’S (ピークス モペッズ)

滋賀県彦根市元町3-9 / TEL: 090-8528-8070
営業時間10:00〜19:00 定休日 木曜日
http://peaks.blog55.fc2.com/

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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