邂逅するソラミミ堂36 まぬけな魔法使いの誓い
これはとくべつヒミツってわけでもないのだけれど、あなたがた、魔法使いのおはなしがすきな子どもたちでも│ひょっとしたら、魔法使いの子どもでも│知らないことかもしれません。
なにがといって、どんなお父さんやお母さんでも、よのなかに父また母とよばれるひとはだれでもが「魔法のことば」を知っているっていうことを。
そしてその「魔法のことば」というのは、ひとりひとりの、あなたがたのお父さんお母さんが、じぶんでつくったのだということを。
しかもその「魔法のことば」の魔法にかかってしまうのは、ほかでもない、「魔法のことば」をつくった本人、あなたがたのお父さんやお母さんだということを。
じぶんでつくった「魔法のことば」で、じぶんが魔法にかかってしまうなんて、すこしまぬけな魔法使いのようですが、じっさいのところ、よのなかの父また母というひとたちはみな、魔法使いのはしくれなのかもしれません。
さてこのすこしまぬけな魔法使いがつくった「魔法のことば」はどんなことばか、わかるかな。
それをこころにねんじると、それをひとこととなえると、どんなまぬけな魔法使いも、つまりはどんな親でもたちまち魔法にかかって、もえさかる火の中へでも、はたまたうずまく水の中へもとびこめる。
そうかとおもえば、それをこころにねんじると、それをひとこととなえると、父母は、みな、やさしい気持ちでいっぱいになる。
そんなにすごい「魔法のことば」はどんなことばか、さあ、もうわかったことでしょう。
そうです、それは、子どもたち、あなたがたひとりひとりにつけられた、ひとつひとつの名まえです。父母ふたりが、あなたにつけた名まえです。
じぶんでじぶんの魔法にかかる、すこしまぬけな魔法使い、よのなかの父また母と呼ばれる人は、あなたの親は、じぶんの魔法を、じぶんのためにはつかわない。
あなたがた、すべての子どもの平和のために、平和をそこなう戦争や不正とたたかう、そのための勇気をふるいたたせるためにつかうと誓う。