ソラミミ堂

邂逅するソラミミ堂36 まぬけな魔法使いの誓い

このエントリーをはてなブックマークに追加 2018年9月19日更新

イラスト 上田三佳

 これはとくべつヒミツってわけでもないのだけれど、あなたがた、魔法使いのおはなしがすきな子どもたちでも│ひょっとしたら、魔法使いの子どもでも│知らないことかもしれません。
 なにがといって、どんなお父さんやお母さんでも、よのなかに父また母とよばれるひとはだれでもが「魔法のことば」を知っているっていうことを。
 そしてその「魔法のことば」というのは、ひとりひとりの、あなたがたのお父さんお母さんが、じぶんでつくったのだということを。
 しかもその「魔法のことば」の魔法にかかってしまうのは、ほかでもない、「魔法のことば」をつくった本人、あなたがたのお父さんやお母さんだということを。
 じぶんでつくった「魔法のことば」で、じぶんが魔法にかかってしまうなんて、すこしまぬけな魔法使いのようですが、じっさいのところ、よのなかの父また母というひとたちはみな、魔法使いのはしくれなのかもしれません。
 さてこのすこしまぬけな魔法使いがつくった「魔法のことば」はどんなことばか、わかるかな。
 それをこころにねんじると、それをひとこととなえると、どんなまぬけな魔法使いも、つまりはどんな親でもたちまち魔法にかかって、もえさかる火の中へでも、はたまたうずまく水の中へもとびこめる。
 そうかとおもえば、それをこころにねんじると、それをひとこととなえると、父母は、みな、やさしい気持ちでいっぱいになる。
 そんなにすごい「魔法のことば」はどんなことばか、さあ、もうわかったことでしょう。
 そうです、それは、子どもたち、あなたがたひとりひとりにつけられた、ひとつひとつの名まえです。父母ふたりが、あなたにつけた名まえです。
 じぶんでじぶんの魔法にかかる、すこしまぬけな魔法使い、よのなかの父また母と呼ばれる人は、あなたの親は、じぶんの魔法を、じぶんのためにはつかわない。
 あなたがた、すべての子どもの平和のために、平和をそこなう戦争や不正とたたかう、そのための勇気をふるいたたせるためにつかうと誓う。

 

スポンサーリンク
関連キーワード