畑からはじまるフレンチ食堂

オーガニック食堂 pot-au-feu

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2013年12月2日更新

 「自分の畑で自然栽培した野菜を、少しずつでもメニューに入れていきたいですね」と、おだやかに話すのは、今年7月にオープンしたオーガニック食堂「pot-au-feu(ポトフ)」のオーナーシェフ中川仁さん。“オーガニック”と聞くと、嬉しい反面、ほんの少し身構えてしまうけれど、このお店の雰囲気には訪れた人の気持ちをほっとさせる”食堂  らしい気取らない温かみがある。
 お店も畑仕事も妻の麻美さんと二人三脚。畑で育てた野菜の他、こだわりの農家から直接仕入れる野菜や肉を使い身体に優しいフレンチ料理をふるまっている。
 仁さんは長浜出身。実家がレストランを営んでいたこともあり、いつしか自身も料理の道を志すようになる。料理の専門学校を卒業後はフランスや東京などで16年間フレンチの修業を積んだ。帰郷し「田舎にこそ、都会に持って行っても通用する料理屋さんを」と独立を決意。帰郷を機に始めた畑仕事もやってみると性に合っていて楽しく「畑もしながらお店が出来る環境があるのは田舎の強み」と感じたそうだ。

 さて、この秋登場したpot-au-feuさんのポトフ、「有機野菜と有機ポーク100%ハンバーグのポトフ」をいただく。ずっしりとした豚肉100%のハンバーグに、ごろっと煮込まれた野菜たち。口に運ぶと素材がもつ本来の味や香りがしっかりと伝わってくる。野菜は畑で採れたものの他、滋賀を中心に全国各地から仕入れる自然栽培のもので、豚肉は和歌山の農家が無農薬飼料とストレスのかからない環境で育てたものだそうだ。そして、その素材の良さを最大限引き立たせるのは絶妙な塩加減。使う塩も、ハンバーグと煮込みでそれぞれ最適なものを使い分けているとのこと。豚肉ってこんなに美味しいんだ、と改めて気づかされる美味しさだった。
 メニューは季節の野菜に合わせて変化する。昼は前菜やパスタ、デザート、ドリンクが付くランチセット(1800円〜)、夜は前菜、スープ、メイン、デザート、ドリンクなどが付くおまかせコース(3500円)が楽しめる。

 またその他にお酒に合う一品料理が揃っているのもこのお店の嬉しいところ。ワインも豊富に揃えてられており、中でもおすすめはフランスのアルザス地方の有機農法で育てられたぶどうを使ったジョスメイヤー社の自然派ワイン各種。仁さん曰く、この店の料理にぴったりだそうだ(グラス500円〜)。
 ショップカードには「家族や恋人・大切な人を想うような気持ちで野菜を育て、料理を作り続けていきたいと思います」と書かれている。
 最近、有機栽培や無農薬の食材にこだわるお店はよく耳にするようになったけれど、料理を作る人自ら土をいじり食材を作ろうとしているのは珍しいように思う。もちろんそこまでこだわって貰えることも嬉しいのだけれど、それ以上に「自分で育てた野菜はやっぱりかわいいですね」という気持ちを持つ人に料理を作ってもらえる嬉しさがこのお店の何よりもの魅力のように思う。

オーガニック食堂 pot-au-feu(ポトフ)

滋賀県長浜市勝町552-1/ TEL: 0749-50-7222
ランチ 11:30〜14:00 / ディナー 13:30〜20:30(L.O.)
定休日 月曜日・第1日曜日

ランチ(前菜、パスタ、デザート、ドリンク)1,800円〜、ディナーおまかせコース(前菜、スープ、メイン、デザート、ドリンク他)3,500円〜、自家製ハム800円、ミートソースパスタ1,400円、クレームブリュレ600円

席数に限りがありますので、予約してからの来店をおすすめします。アレルギーのある方は事前に相談することができます。
また、店頭では、中川夫妻が選ぶこだわり食材も販売。実際にお店で使われているものなので、料理を食べて美味しいなと思ったものを買って帰ることができます。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

れん

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