型紙のアップデート

COMMUNE

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2011年9月30日更新

四番町スクエアのCOMMUNE

久米勝智さん

COMMUNE店内

 彦根・四番町スクエアに「COMMUNE」と看板を掲げたお店がある。COMMUNEは久米勝智さん(34)が2年前に開いた、シャツの工房兼ショップだ。
 オリジナルのシャツを選んだり、自分だけのシャツをオーダーしたり、オリジナルに少し手を加えてセミオーダーもできる。チェック、無地、丈が長かったり、ボタンに特徴があったり・・・・・・シンプルだが、細部にまで気を遣ったデザインである。
 久米さんは、デザイン、型紙、裁断、縫製、仕上げというシャツの製作工程を全て一人で行う。
 「僕の作るシャツの特徴は、カジュアルすぎないということでしょうか。カジュアルのラインはスーツの下に着られるかどうか、ということ。形をカジュアルにしても生地を上質のものにしたりすることで、オンとオフの中間のようなシャツでありたいと思っています。気がついたらよくこのシャツ着ているなあって思ってもらえるような、着る人にとっての定番となるシャツでありたいですね」。
 衣類の中でも、「シャツ」である理由を久米さんはまず「好きだから」、そして「隠せないから」と説明する。裏地のあるスーツなどと違って、手抜きや誤魔化しがきかないのだという。高級といわれるシャツを買ってきて分解すると、いかに手作業が多いかがわかるそうだ。手間をかけた分、機能性も、モノとしての美しさも際立つのだという。
 「シャツというモノづくりの時間はとても楽しい。けれど作ったモノは自分のためではなく、それを気に入ってくれる人がいてモノとして成立するんです。店頭に立ち、接客、販売することも含めてが、僕にとっての全工程なんです」。
 まちなかで久米さんに偶然ばったり会うといつでも「遊びに来てくださいね」と声をかけてくれる。確かに、久米さんのお店を訪れるのは、シャツを作りたかったり買いたい人だけではない。
 「ファッションって既存のデザインを否定して新たに生み出すという要素があるんですが、僕の場合はちょっと違うんです。型紙をアップデートし、改良していく。いわば構築なんです」。
 「COMMUNE」という言葉には、ひとつ、心を通わせるという意味がある。
  一枚の、本当に着心地のいいシャツを着たいと思うとき、必要なもの……。久米さんが構築しているのは、型紙ではないのだと気づくのだ。

 

COMMUNE

滋賀県彦根市本町1-11-9 1階 / TEL: 0749-26-2027
営業時間 11:00〜20:00 / 定休日 水曜日
メンズ・レディース オリジナルシャツ14,000円ぐらいから、フルオーダーシャツ22,000円ぐらいから(要相談)、セミオーダー(要相談)、鞄などの小物類もある。

新作シャツ・鞄類の展示販売会
2011年10月8日〜10日 11:00〜18:30
カフェYetiFazenda / 彦根市日夏町2908-5 / TEL: 0749-28-3539

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

編集部

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