毎週金曜日はパン日和

ガレージ パン日和

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 東近江市 2011年4月13日更新

小さな看板が開店の目印

 永源寺の八風街道沿いに、週に一度、オープンするパン屋さんがある。金曜日に歩道に出る木製の小さな看板が「ガレージ パン日和」開店の目印だ。食パンの断面が描かれただけのシンプルなものである。そのシンプルさに心惹かれた……。
 ガレージ パン日和は、平岩節子さん(40)が2年前に開いたパン屋さんで、自宅に隣接するガレージがパン工房になっている。玄関の横に、小さな窓があって、パンが並んでいる。
「パンは趣味で家族に焼いていました。子育てが落ち着いて、私にできることは何だろうと考えたら、パンだったんです。思い切って近くの料理店で使ってもらえないか頼んだのが始まりでした。今から考えると大胆だったなと思います」。

 今、お店に並ぶのは10種類ほど。その多くは天然酵母を使っている。パンを発酵させるのには一般的にはイーストが知られているが、天然酵母は植物などに付着している酵母を培養したもので、酵母の種類ごとに性質が異なり風味も様々だ。
「ホシノ天然酵母という酵母を使っていて、くせが少なく安定した味が特徴です。お客さんからは素朴な味と言われます」。
 平岩さんの一番のおすすめは食パンだ。原料は小麦粉と天然酵母、砂糖、塩だけで、もっちりとしている。シンプルだから、風味が際立つ。
「生地が発酵しているときを見ているのが楽しいですね。生きているんやなあって実感します。今、小麦粉で酵母を起こしたパンを試作しています。起こすには1ヶ月ぐらいかかりますが、かみしめると粉の味が実感できます」。

天然酵母のパンが並ぶ

 お店を訪ねたのは、春の雪が舞う夕暮れだった……。小一時間も話していたかもしれない。その間に、ウインカーを点滅させ、スピードを落とした車が入ってくる。他府県ナンバーもあったりする。皆、平岩さんのパンを目指してやってくる。美味しいだけでなく、「ガレージパン日和」に漂う空気が、自分に合っているというのが前提にあるのだろう。「いいなぁ」と感じた人が、金曜日を思い出すような感じだ。
 「せっかく買いに来てくれた方に売り切れです、とお伝えするのが一番つらいです」。
 看板はご主人のお手製だそうだ。いいですよねこの看板、と伝えると平岩さんはにっこりしていた。
 永源寺方面へ出かけるときは金曜日がおすすめだ。

ガレージ  パン日和

滋賀県東近江市山上町3608-5
TEL: 090-9986-2653
営業  金曜日 11:00〜19:00

食パン300円、プチパン(2個入り)100円〜、ベーコンエピ230円、オレンジショコラ150円など。ブログで、店頭に並ぶパンがあらかじめわかる

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

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