いろんなことを教わった
ミモザ キッチン
「ミモザ キッチン」は、昨年11月、東近江市小池町にオープン。自然栽培で野菜を育てたいオーナーの丹羽昭夫さんと、お店をやりたかった奥様恩(めぐみ)さんの思いが叶って出来上がった。恩さんは辻学園調理技術専門学校を卒業後、サービスの楽しさに魅了され東京フレンチレストラン『ラ・ロシェル』にて最高のサービスを経験し、接客・サービス・マネージメントを学び、地元で自分のお店を持つことを決意したそうだ。ミモザ キッチンのマネージャーでもある。「食材はもちろん、こだわれるところはとことんこだわりたい。クオリティーにも自信があります」と話す。
モノトーンを基調にした店内は、モダン。大きな窓から望む景色は自然栽培の野菜畑、37アールのミモザ ファームが目の前に広がっている。楽しさとくつろぎ……、食事への期待が高まる。
野菜を自然に育てる農法について尋ねると「肥料や農薬は使わず、草は刈るが抜かない、耕さない」と話してくださった。
畑は2019年まで水田だったそうだ。土地には稲作を行っていた頃の肥料や農薬が残っていて、最初はイネ科の雑草しか育たなかったが、昨年はマメ科の雑草も見られるようになった。多様な雑草が生えることで土地が豊かになっていくことが実感できるのだそうだ。年間、おおよそ50種類の野菜を栽培。ファームで育てる四季折々の土の香りや風味を感じる野菜たちは、ランチタイムのサラダビュッフェでたっぷりと、ディナーではアラカルトメニューからチョイスして楽しむことができる。しかし、丹精込めてつくる野菜の成長には時間がかかり、キッチンで提供するには十分な収穫量にならない場合もある。そんなときは近隣の契約農家さんが大切に育てた無農薬野菜をつかう。魚や肉のメイン料理にも、季節野菜がたっぷり。この上ない野菜本来の味を活かした贅沢なひと皿となる。
店名につけたミモザは恩さんが好きな花である。3月8日の「国際女性デー」がイタリアでは「ミモザの日」と呼ばれ、身近な女性に感謝を伝えるときにミモザを贈ることにもちなんでいる。花言葉は感謝・思いやり・友情など。
「お客様に喜んでいただけることに加え、スタッフも楽しく働ける場所にしたい」と恩さんがしっかりと主張される感覚が新しく、清々しい思いがした。
普段はほとんど考えないことが、ミモザの哲学として昇華され、料理というカタチで表現されている。私はいろんな素敵なことを教わったように思う。
vegetable cafe&bar Mimosa kitchen
滋賀県東近江市小池町543
TEL: 0749-31-3199 定休日 日曜・月曜日(祝日の場合変動あり)
Lunch 11:00~14:30
パスタプレート、チキンプレートなどサラダビュッフェ、スープ・パン付き1,800円(プラス350円でドリンク付き)など
Cafe&Bar 火~木曜 11:00~18:00 / 金・土・祝日 11:00~21:00
バスクチーズケーキ450円、マリトッツォ450円〜、アルコールあるなしが選べる無農薬レモンの丸ごとサワー600円など
Dinner 金・土・祝日 17:00~21:00
無農薬野菜のアヒージョ1,000円など
店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。
【蜻蛉】