蕎麦を食べる30分

献上伊吹そば つる亀庵

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2009年5月10日更新

「よろい重そば」が五段ずつ運ばれる。

 彦根城の堀端に伊吹蕎麦を食べさせてくれる「つる亀庵」という蕎麦処がある。
 伊吹は日本の蕎麦発祥の地であると伝えられ、江戸時代には井伊家から将軍徳川家への献上品の記録に「伊吹蕎麦」と記されていたりする。つる亀庵では、打ちたての伊吹産の蕎麦を食べることができる。ゆがきたての蕎麦は、上品なしつらえで、香り高くキレイな蕎麦である。落ち着いて、蕎麦に向かい味わいたい……。
 ところがである。メニューに、それは控えめな文字で「1500円食べ放題」という文字を見つけた。食べ放題を売り物(看板)にせず、「こんなのもありますが……」というのがいい。僕はまんまとこのアミューズメントに惹かれた。
 蕎麦でお腹をふくらまそうなどとは、丹誠込めた蕎麦に失礼である。淡々と盛り蕎麦をいただいたあと、運ばれてきたそば湯を味わいながら、「今までの最高は何段か?」「一段は何グラムか」「制限時間はあるのか?」「何段くらい食べるとお店の方々は注目し始めるのか」などと尋ねていた。 持ち時間30分、一段50グラム、通常は三段の「よろい重そば」が五段ずつ運ばれる。最高は三十段は越えたらしいが正確なところは判らない。十五段を越えると注目されるらしい。既に、日を改めて、やる気になっていた。自信はあった。蕎麦に失礼なのと、人の目が気になるので、午後3時から4時頃がねらい目である。
 さて……、日を改め予定通りの時刻にテーブルについた。薬味は5種。蕎麦つゆはおかわり自由。結果はというと十五段を12〜13分で食べた。もう少しペースを上げられそうだったし、まだまだ余裕はあったが、これくらいにしておいた。旨い蕎麦を様々な薬味で食べるのが楽しい。苦しくなる前に止めておくという、実に大人の判断でもあったと自負している。
「お客さんやせてらっしゃるのに、スゴイですねぇ〜」
最近は誉められることがないので、こんなことでも照れる。
イヤ〜、ゼンゼンスゴクはないって……、余裕っス。

献上伊吹そば つる亀庵 (つるきあん)

彦根市立花町1-1 / TEL: 0749-26-2615
営業 11:30〜21:00(20:00 L.O.) / 水曜定休

盛りそば 800円 / 大根おろしそば 900円 / 山かけそば 950円 / 天ぷら盛りそば 1,300円 他
*大盛りは各200円増 / よろい重そば 1,000円
*追加一段 150円 / 他、御膳、単品など

「食べ放題」は平日のみ。混み合うことが予想される日、また桜まつり・ゴールデンウィーク・お盆・秋の連休中・年末年始など中間日になる平日は休止。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

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