種類豊富なナンが魅力

　彦根市立病院の向かいのビルの1階に、「ディップ ジョティ」という名前のインド・ネパール料理のレストランがオープンした。以前に紹介した「インド アジア ダイニング」が閉店となりその後に新しく入った形となる。店の外装は、エスニック調に装飾されていて、ビルのこの一角だけアジアなオーラが漂っている。
　店長のクル・レグミさんは、日本に来て7年になるという。日本語も堪能だ。クルさんの故郷はネパール。有名な観光地ポカラからさらに50キロほど北西に行ったところにある、バグルンという町で生まれ育った。17歳でインドの首都デリーのレストランに修業に出て、10年ほど働いたのち、カトマンズのレストランに移った。そして、7年前に日本で店を開いていた親戚を頼って日本へやってきたのだそうだ。
　ディップ ジョティの特徴は、なんといっても10種類の選べるナン。定番のガーリックナンやチーズナンをはじめ、オニオンナンやキーマナン、ハチミツナンなど珍しいナンが楽しめる。なかでもおすすめのチーズナンは、たっぷりと入ったチーズがとろけてカレーとの相性もいい。たいていチーズナンというと甘すぎることが多いが、ディップ ジョティのチーズナンはほどよい甘さなところが魅力的だ。
　ランチメニューは750円からとリーズナブル。夜は普通のディナーメニューに加えて、飲み放題・食べ放題のコースもある。フード27品、ドリンク22種が自由に注文できて2時間で一人3180円というお得なコースだ。ドリンクは、生ビールはもちろん、インドやネパールのビールやウィスキーなどもあるから、ちょっとした宴会に利用するのもおもしろいかもしれない。
　ところで、「ディップ ジョティ」の「ディップ」は「神様をお奉りする燭台」、「ジョティ」は「神様に捧げる灯」を意味しているそうだ。そのインド・ネパールらしい神聖な語感と、店内から漂うスパイスの香りに旅愁をかきたてられる。あいかわらず、僕のネパール再訪は実現されていないままだけれど。

【はじめ】