お好み焼き考
お好み焼きと白ご飯
この季節、雪が降った降らないという話、除雪の具合を嘆くと共に、ダシの濃さ、味噌の種類、おもちの形、お雑煮の味つけ…など関東・関西の食文化の違いが話題になる。
人気アニメ『名探偵コナン』、118話で大阪の高校生探偵服部平次がコナンをお好み焼き屋に案内するシーンがある。そこで服部平次は「おっちゃん、飯も忘れんといてや」、「お好み焼きはおかずやで〜、飯にタレが付いてそれがまた美味いんや〜」と言っていた。
お好み焼きを単品で食べるのが関東風、おかずとなるのが関西風というわけだ。湖東・湖北のお好み焼き屋さんにはどんな組み合わせがあるのだろう。
お好み焼きとデザート — おこのみハウス きゃべつ畑
「おこのみハウスきゃべつ畑」のご主人矢羽野利彦さん(48)の出身は大阪で、「小さいときに母に作ってもらった」お好み焼きをめざしている。だからきゃべつ畑のお好み焼きは、関西のお好み焼きを定義していると言っていい。
矢羽野さんにとってお好み焼きはとても身近な存在であり、「お好み焼きはご飯のおかずです。お好み焼きだけだと口が物足らない感じがするんですね。ご飯を食べるのは口直しの意味合いもありました」と話す。『名探偵コナン(118話)』で高校生探偵服部平次が言っていたことを裏付けている。
矢羽野さんには理想とするお好み焼き店の姿がある。「商店街にある昔ながらの甘味屋さんのような」店である。
「お好み焼きはおかずであると同時におやつ感覚でもあるもの。今は少なくなってしまったけれど、かつてはお汁粉やぜんざいと並んでお好み焼きを出す甘味処がありました。お昼どきでもお好み焼きを食べながらゆっくり時間を過ごしてもらいたいと思っています」。
そんな矢羽野さんの思いを反映させたのが「デザートランチ(1050円)」だ。お好み焼きはバームクーヘン豚の豚玉、シーフード、もちチーズから、デザートはチーズケーキ(ソフトアイス添え)、ワッフルもなか、フォンダンショコラ(ソフトアイス添え)から選ぶ。サラダ、飲み物もつく。おにぎりとお好み焼きのランチセットもあるのだが、デザートランチは女性はもちろん男性の支持も高いそうだ。単品のスイーツや、ジャスミンティー・緑茶などお茶の種類も充実している。矢羽野さんは、研究を重ねるうちに小麦粉をはじめとする食材をほぼ滋賀県産のものでまかなうようになった。大阪の母の味には、滋賀のうまみが閉じ込められているのである。
おこのみハウス きゃべつ畑
滋賀県彦根市城町2-9-1 / TEL: 0749-24-2600
営業時間 11:00〜15:00・17:00〜22:00 / 定休日月曜日
ランチセット800円(平日11:00〜14:30)、お好み焼き(豚玉、イカ玉のいずれか)または焼きそば・おにぎり・豚汁・サラダ。お好み焼き700円〜、松原産のネギを使ったネギ焼き900円〜、パフェ390円など。