バスの記憶とこれから

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2013年2月18日更新

「バスに乗って、ゆられてる。」その後、決まって「ゴー! ゴー!」とあいのてを娘が入れる。娘のお気に入りのCDから流れてきた歌詞である。他にも子ども向け雑誌の多くで親子がバスに乗って公園に出かけるシーンを見かける。しかし、僕は実際に出かけたことはない。最後に乗ったのはいつだったか、と必死になって思い出さなければならないほど、バスの記憶は遠い過去になっていた。
 ふりかえってみると、クルマが暮らしに必要不可欠になるにつれて、道路が整備されるにつれて、だんだんとバスに乗らなくなってきたはずである。一方で、高齢者にとっては、生活の足として欠かせないといわれている。その高齢者も、多くがクルマを運転している。
 一体、誰が乗っているのだろう……。
 どうやら、クルマを持たないお年寄りと、企業や工場などへの通勤と業務でサラリーマンが乗っているだけのようである。
 そこで、バスの路線図を調べてみた。
 どうやら、彦根近辺では、近江鉄道バスと湖国バスが走っている。結構な路線数が残っているではないかと思ったが、近江鉄道バスの営業路線は、南彦根駅と県立大学を結ぶ、たった一路線になってしまったようだ。そして、残りの路線が彦根市からの補助金で運営される湖国バスのものであることに驚いた。
 しかし、これらの時刻表を見ると、バスの本数と不便さばかりに気がつく。これでは先細るばかりかと思いきや、あの手、この手で利便性を高めるためにいろいろな対策を講じているようだ。
 その一つが、「買い物路線」と銘打った新しい路線(南彦根ベルロード線)の新設である。彦根駅からクレッセ、カインズ、ベルロードを通って、くすのき通りからビバシティや南彦根に向かうルート。滑り出しは想定よりも、他の路線よりも、良いようである。ゆくゆくは、彦根城の周囲を走って、彦根駅と琵琶湖岸を結ぶ観光路線としての期待もあるようだ。
 このままいくと、バスはきっとなくなるだろう。でも、誰かが支えるのではなく、自分が何をするのか、ということが問われているのかもしれない。だからこそ、まずは、家の近くのバス停と市内の移動にどうやったらバスに乗れるか調べようかと思う。娘と出かけるために。

 

kon

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