博覧会はバスに乗って

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2012年7月2日更新

 この季節に山登りをするなら、私は、たどりついた頂上でビールを飲みたいと考えるタイプである。賤ヶ岳や小谷城跡は何度となく登ってきたが、最寄駅からのアクセスが少々不便なので叶わないと思っていた。
 ところがである。「戦国大河ふるさと博」の会期にあわせ、各会場を巡回するバスが走っているのだ。「戦国バス」「七本槍バス」の2つの巡回コースがある。
 「戦国バス」 は、長浜駅を発着点に、浅井エリアの戦国大河あざい館などを経由して小谷城跡、麓の戦国ガイドステーションをめざす。「七本槍バス」は木之本駅と戦国大河きのもと館、賤ヶ岳リフト口の3ヶ所を結ぶ。どちらも近江鉄道グループの湖国バスの運転手さんが交替で乗務している。川瀬秀明さん(51)もそのひとりで、昨年の「江・浅井三姉妹博覧会」に引き続き2年目となる。
 川瀬さんは、浅井氏縁の地、長浜市小谷上山田町にお住まいだ。浅井氏が信仰した和泉神社があり、神社には2代目浅井久政が奉納した鰐口も遺っている。「昨年の巡回バスには、ボランティアガイドさんが同乗しておられ、私も話を聞かせてもらいました。子どもの頃から長政の話を聞いて育ちましたが、改めて知る ことも多かっ たです」。
 今年はガイドさんの添乗はなく、観光の方々から直接質問を受けることもあるという。「地元の人も知らないエピソードをご存知の方も多く、わかる範囲はお答えしています。間違ったことを伝えてしまっては大変ですから、各会場におられる語り部ガイドさんに確認していただくようにお願いしています」。

 運転風景を撮影させてもらおうと「七本槍バス」に乗り込んだ。運転手さんの本分は安全に快適に乗客を目的地まで運んぶこと。お話を聞いていたときと運転席でハンドルを握る川瀬さんの雰囲気はまったく違う。私はといえば、普段バスに乗らないせいか、遠足気分……、何度も見てきた風景も新鮮である。生まれ育った土地をお客さんを乗せて走る川瀬さんにはどんな風に映っているのだろう。「戦国バスのルートでは姉川の古戦場付近を走ります。この辺りから小谷山とその周辺の山が連なっているのが見えます。今でこそ、小谷山や小谷城に攻め入ろうとする織田信長が砦を置いた虎御前山も緑が豊かですが、当時は木のない坊主山だったそうで、双方から互いの動きが見えたのではないでしょうか。私の お気に入りの眺めです。実はまだ賤ヶ岳には登ったことがないんです。小谷城跡は自治会の清掃もあるくらいでしょっちゅう登るのですが……。灯台下暗しですね」。
 私は先日、小谷城跡に登って、中腹から古戦場の場所を確認したことを思い出していた。今度は、ナップサックにビールをしのばせて「戦国バス」に乗ってみようと思う。

 

巡回バスのお問い合わせ

戦国ガイドステーション TEL: 0749-78-0300(受付時間 8:30〜17:30)
http://www.azai-go.jp/

七本槍バス/運賃1日乗り放題キップ 300円(小学生 150円)
木ノ本駅東口→賤ヶ岳リフト口→戦国大河きのもと館→木ノ本駅東口のルートで1日12便運行
戦国バス/運賃1日乗り放題キップ 500円(小学生 250円)
長浜駅西口→戦国大河ながはま館口→国友鉄砲の里資料館→戦国大河あざい館→小谷城戦国歴史資料館→戦国ガイドステーション→おみやげ館→戦国大河ながはま館→長浜駅西口のルートで平日は10便、土日祝は14便運行

*戦国バスは、7月1日から一部停留所と、運行本数が変わるので、戦国ガイドステーションもしくはウェブサイトで確認してください。
       

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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