2011の夏を快適に過ごす
柿渋染めアロハシャツ

天然成分の消臭・殺菌作用

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 東近江市 2011年8月3日更新

柿渋染めの生地

 今年の夏は、スーパークールビズ実践の人もいるだろう。夏の定番ウェア、アロハシャツも注目を浴びている。開襟で大胆な柄が特徴だが、柿渋染めの生地を使った個性的なアロハシャツがあると教えてもらった。
 旧能登川町にある「おおまえ」は生地や織物を企画開発し、製品化している会社だ。
 「25年前にお客さんから要望があって、柿渋を使って染物を始めました。せっかくだからきちんと柿渋について調べてみようと思い、その歴史や特性に興味をもっていったんです」と2代目で現社長の大前清司さん(58)は話す。
 渋柿染めは平安時代からあったそうだ。防水・防腐効果や耐久力に優れ、アルコールへの耐性やたんぱく質を除去する特性がある。
 「かつては桶や船、番傘などの下地に使われてきました。またたんぱく質を分解する作用があるから蛇にかまれたときには解毒にもなり、二日酔いには柿が良いと言いますよね。薬としての効果もあり、古くから色々な場面で柿渋が利用されてきたんです。実際に消臭・殺菌のデータを採ったことがあり、その数値は良かったですね」
 汗をかき、その汗から雑菌もわきやすい夏場、柿渋染めのアロハは消臭、殺菌作用を発揮する。

社長の大前清司さん

 大前さんは、国内産の柿渋の染料を原液のまま薄めず使い、生地を染め、天日で乾燥させている。
 「今は抗菌シャツなどが簡単に手に入りますが、それらは化学を応用した人工的なものですよね。柿渋は自然から生まれたもの。だからこそ自然を汚さず、無駄なエネルギーを使わずに活用すべきだと考えています」
 現在、大前さんは麻を使った壁クロスや、琵琶湖産のヨシを使った衣料小物などの開発、製品化も行っている。
 「1000年も前から残る先人の知恵を次代へとつなぐ、橋渡し役になれればいいと思っているんです」
 エコ製品への試みの原点は柿渋にあるのだという。
 1枚のシャツからも、学ぶことは多いのである。

おおまえ

滋賀県東近江市小川町1413 / TEL: 0748-42-0805
営業時間  9:00〜18:00
定休日  土・日曜日

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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