バレエスタジオに通う

マーガレット・バレエ スタジオ

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2015年5月4日更新

 子どもの頃よりも自分の身体が遠いなあ、と思う。あの頃より成長したはずなのに、あの頃よりどんくさい自分を、近頃よく感じる。いつも同じ箇所を同じようにしか動かしていないし、動く量も少ない。
 なにか運動というか、自分の身体と向き合うということをしたいとぼんやり思っていたところに、昨年夏、編集部の近所で「マーガレット・バレエスタジオ」というスタジオがオープンした。幼少時に憧れたことはあったものの、バレエとは縁遠い人生を送ってきたのだが、ひょんなことからスタジオを主宰する浦部朋子さんとお話する機会があった。
 バレエというと、可憐で美しい芸術の世界と裏腹に、ごく小さな頃から厳しいレッスンを積んで、激しい競争があって…という想像があったのだが、浦部さんのお話や人柄からはそんなストイックな印象は感じない。ご自身もイギリスに留学経験があり、英国ロイヤルバレエスタイルの本格的な鍛錬を積んでこられたにも関わらず、「私はバレエを始めたのも10歳と早い方ではなかったですし、始めたら、やめられなかったんですよねえ」とおっとりお話しされる。

 未就学児向けのクラスをのぞかせてもらうと、音楽に合わせて体を動かしたり、バーを使ってバレエの動きをしたり。浦部さんの優しい指導で、子どもたちはのびのび、楽しそうだ。
 それに比べて小学生のクラスには緊張感がある。3、4年生の少女たちは次から次へと違う動きをこなしていき、浦部さんの指導をどんどん飲み込んで、一回のレッスンの間にめまぐるしく成長していく。
 「できないかもしれないと思うような課題を与えても乗り越えていく彼女たちを見ていると、私の方が教えられます。バレエを好きになってほしいし、バレエを通じて成長してくれたらと思いますね」と浦部さん。
 ところで、おとな向けのクラスもあるという。「バレエには長い歴史があるので、そのなかで体を動かすための理論が積み上げられてきているんです。バレエで大切なのは、身体の可動域を広げる一方で、自分の『軸』を見つけること。最近はやっている『インナーマッスル』や『体幹』というものも、『軸』を見つけていくなかで自然と身についていくものです。バレエは自分の体を知る勉強にもなるし、健康にもいいですよ」。

 これは『自分の身体と向き合う』というイメージに近いのかもしれないと思い、渡りに船と、私は週1回のおとな向けレッスンに通い出した。
 レッスンは毎回、足の指を伸ばしてぺたっと床に付け、そのまま指の付け根の関節を曲げることから始まる。これが意外と難しい。日常生活では意識しない、足の指の関節のひとつずつや、土踏まずの筋肉、それらを動かそうとすることで意外に脛の周りの筋肉なども緊張する。続いて、ストレッチやバーレッスンなどをしていくが、単純な動きのひとつひとつに理由とコツがあり、3ヶ月経ってもまだ慣れない。ようやくわかってきたのは、自分が普段いかに癖にとらわれた小さな身体の使い方をしているかということ。まだ身体の『軸』は見つからないけれど、レッスン翌日の筋肉痛とともに、少しずつ自分の身体に近づき直しているような気がする今日この頃だ。
 少女たちのようにめまぐるしい成長はもはやのぞめないが、幼少時の憧れをいま実現するというのも、悪くないと思っている。

Company Bona Terra 彦根教室
マーガレット・バレエスタジオ

滋賀県彦根市中央町7-47 Kビル2F
TEL.090-6966-7246(浦部)
http://www.bona-tera.jp/

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

はま

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