自転車を「道具」から「愛車」へ

侍サイクル

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2013年5月15日更新

 4月12日、NPO法人五環生活などが入った「.5bldg(ドットファイブビルディング)」の1階に間借りする形で、自転車店「侍サイクル」が営業をはじめた。びわ湖一周する人をターゲットにしたレンタサイクル「びわこ一周レンタサイクル」を運営するなど、自転車に乗る楽しみを普及させようと活動してきたNPO法人五環生活とタッグを組み、自転車の楽しみをさらに「深化」させたいという願いから生まれた。
 侍サイクルの店長は目片貞明さん。3月までは彦根市の地域おこし協力隊として五環生活に参加していたが、新年度からは団体のサポートスタッフ兼、店長という新たな一歩を歩み出すことになった。
 「子どもの頃から自転車好きです。“自転車”自体にも興味がつきませんし、サイクリングも大好きです。周辺グッズにもおもしろいものがたくさんありますし、愛好家の方とお話するのも楽しいです」と目片さん。自転車や自転車を取り巻くすべての人や物を愛しているという。
 当初、自転車店を開く意思はなかったという。「昨年は自転車安全整備士と自転車技士の資格も取り、レンタサイクルの整備スタッフとしてのべ千台以上の自転車を整備し続けました。結果、少しずつ自転車店への夢が生まれてきました。自転車レンタルだけでなく 買う という側面から、より深く自転車とかかわる方が増えたらいいなと思ったのです」。自転車本体や周辺グッズを買いたいという声などもあり、次第に自転車店のオープンへと気持ちが傾いていったという。

目片貞明さん

 「レンタサイクルは『とりあえず一度乗ってみてよ、乗ったら良さがわかるから』というスポーツ自転車体験へのお誘いです。その次のステップとして『乗ったら楽しかった、もっと乗りたい』と思った方に、ご自身の自転車を持っていただきたいと考えています」と目片さん。
 夢は“自転車は単なる道具”という状況を変えること。自転車は、命を預けるに足りる信頼できる乗り物であり、自身の愛すべきパートナーであってほしいと願っている。そのためにも、自転車販売だけでなく、メンテナンスやカスタマイズにも力を入れたいと考えている。「尊敬する自転車店主さんの受け売りですが『その人に合う自転車は給料の1カ月分』だというのが持論です。しかし、それを実践しているのはわずかな愛好家だけ。ですが、きちんとメンテナンスしたり、部品を取り替えたりすれば長く乗ることもできます。大切な 愛車 として、安全に長く、自転車を楽しんでいただきたいと思います」。
 「侍サイクル」ではスポーツ自転車や周辺グッズをカタログ販売するほか、メンテナンスやカスタマイズも実施。またパンク修理などの日常の自転車修理も行う。さらにメンテナンス講座や初心者向けの自転車講習など、自転車愛好家を増やす活動にも力を入れていくという。
 ところで、店名の「侍サイクル」は、目片さんが甲冑好きなことに由来する。目片さんは歴史系のライターとしての顔も持ち、甲冑や城についての原稿を書いている。また週末には自前の甲冑に身を包んで彦根城で観光客を出迎える「彦根赤備え武将隊」としての活動も行う。「甲冑と自転車、好きなものを詰め込んだ店で頑張りたい」と話してくれた。

侍サイクル

滋賀県彦根市中央町7-40 .5bldg 1F
TEL: 090-6968-1098

9:00~18:00(21:00までの日もあり)・不定休
スケジュールはブログをご確認ください。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

みなみ

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