のほほん ワッフルカフェ
no-ho-ho-n tanacafé
「ばーら(おばちゃんたち)の存在が生きがいなんですよね。ばーらがいてくれたから、ここに残ろうと思えたんだと思います」。のほほんとそう話してくれるのは田仲訓さん(42)。昨年11月から、姉川の源流である奥伊吹地域の米原市甲賀でカフェ「no-ho-ho-n tanacafé」を始めた。
田仲さんは2年前、米原市の「みらいつくり隊(地域おこし協力隊)」の第1期メンバーとして大阪から移住してきた。千葉の銚子で生まれ、雑貨屋勤務やwebデザイン、時には渡米したりと過ごし40歳が見えてきた時、人生の折り返し地点のように感じたそうだ。これからどうしようかと思う中でふと足の向いたのが大阪にある田舎暮らしを斡旋するセンターだった。初めて見学会で訪れた時、あるおばちゃんの作った漬け物に 一味惚れした。
「どうしても作り方が教えてもらいたくて、ここに移住してからそのおばちゃんの家を探して訪ねて行ったんですよ」と話す。おばあちゃんっ子だったという田仲さんがばーらの話をする時、本当に楽しそうだ。
以前から田舎暮らしに興味があり、特にラズベリーなどの果樹を育てたいと思っていた。「地元には地元のやり方があるので、集落の人たちに一から全部教えてもらいました。その時いろいろと教えてくれ相談に乗ってくれたのもばーらなんです」と語る。栽培方法だけでなく、食材の加工方法など暮らしにまつわるあらゆることを教えてもらう間に、田仲さんにとってばーらの存在は「疲れた時はばーらと話してリフレッシュする」ほど甲賀で暮らす上で無くてはならないものになった。
この春、隊員としての2年間の任期を終え、カフェで起業しここに暮らし続けることにした。メニューは焼きたてのワッフルと入れたてのコーヒーや4種のハーブティー。ワッフルは生地やソースに自家製のラズベリーやブラックベリー、近所で採ったヨモギを使う。ゴールデンウィークには特別にワッフルのパフェも登場予定だ。現在、ランチメニューとしてボリュームたっぷりのワッフルサンドや地元野菜のスープも考案中。
野菜は自分で作るんですかと尋ねると「自分でも作りますが、ばーらが上手に作った野菜があるので」と答えるあたりが田仲さんらしい。店内には、自家製のジャムや甲賀産の米なども売られており、5月の下旬頃からは店先に「甲賀マルシェ」と名付けたばーらの野菜が並ぶそうだ。
40年以上空き家だった建物を自ら少しずつ改装した店内は田仲さんが収集したレトロな棚や照明器具、雑貨が並んでいる。席につくとガラス戸越しに伊吹の景色を眺めることができ、時間の流れをゆっくりと感じることが出来る。「春の新緑だけでなく、夏の蛍、秋の紅葉、冬の星空とここはいろいろ楽しめます」とのこと。ゴールデンウィーク、奥伊吹の風景を楽しむドライブの先に、このカフェに立ち寄る楽しみがさらに増えると素敵な道中になるのではと思う。
no-ho-ho-n tanacafé
滋賀県米原市甲賀253-1
TEL: 0749-56-1370
土・日曜日、祝日営業 *臨時休業あり
営業時間 11:00~17:00
焼きたてワッフル(よもぎ・チョコバナナ・ベリー・キャラメル)各500円珈琲・紅茶 各400円
ハーブティー 500円 ※ワッフルはテイクアウト可。トッピングのアイスを抜いて200円。
店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。
【青磁】