主婦のシェフのごはん

ごはん家 くまくま

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2012年3月22日更新

築100年以上の古民家

熊川さん(左)と熊谷さん(右)

 お店に入ってすぐ、「はいどうぞ」と出していただいたのは熱々のコーン茶だった。韓国料理のお店などではおなじみだが、界隈の飲食店でコーン茶を出してくれるのは珍しい。とうもろこしの粒を焙煎したお茶で、豊かな香ばしさが口いっぱいに広がる。
 彦根のリバーサイド橋本通りに昨年末オープンした「ごはん家 くまくま」でのことだ。土間のテーブル席、座敷の掘りごたつ席、絨毯敷きのテーブル席…。築100年以上の古民家の味わいが残っている。熊川裕美子さんと熊谷順子さんが営んでいる。ふたりはそれぞれのお子さんが幼稚園時代からの「ママ友」で、縁あって一緒にお店を始めることになった。

 熊川と熊谷だから、店名は「くまくま」。おふたりいわく「主婦のシェフ」によるごはんが登場する。お昼の日替わり定食とスイーツがメインだ。定食は季節の野菜をめいっぱいに使っている。この日の定食は「もうすぐ冬のキャベツの季節が終わるので、今日のメニューにしました」というロールキャベツがメイン。そしてかぶとしめじの生姜煮込み、白菜の和風サラダ、日の菜のピクルスに沢庵、8分づき玄米にお味噌汁だった。

「私が子どもの頃は家で野菜をつくるのが当然でした。冬の朝なら、裏の畑で大根を引き抜いて、それが朝食の大根おろしになります。今から考えるととても恵まれていたと思います。自分の身近で育つ野菜を食卓の中心にしたいという思いと共に、無駄なく100%使いたいですね。工夫していますよ」と熊川さんは話す。野菜は彦根の農園「原木ファーム」の有機無農薬のものや、ご実家、お知り合いの畑で育ったものを仕入れている。

 ロールキャベツはきれいに食べるのが難しい。お箸で食べやすい大きさにしたいのだけれど、キャベツの繊維が邪魔をして、無残な姿になってしまうことが多い。なのにいただいたロールキャベツは、野菜の風味を大事にした薄味仕立てで、調理が絶妙なのだろう、キャベツの葉が柔らかく、箸ですっと切れる。中の肉団子には、にんじんや蓮根など刻んだ野菜が入っている。無駄なく100%使いたいという思いを実感する。

 ところで、コーン茶は鉄分やカリウム、食物繊維が豊富な健康茶だという。セルフサービス式でポットが置いてあり、食後にもう1杯といただきながら、おふたりとのおしゃべりも弾んで、つい長居してしまう。こんな雰囲気もまた「くまくま」ならではに違いない。

 

ごはん家 くまくま

滋賀県彦根市河原2-2-38
営業時間11:00~16:00 / 定休日 土曜・日曜・祝日
TEL: 090-7110-3378(熊川)・090-2288-6416(熊谷)

本日の定食(数種ある)、限定メニュー各800円。ドリンク350円(ミニ豆乳プリン付・食事とセットの場合200円)/ ケーキとドリンクのセット 450円(食事とセットの場合400円)/ 食事はテイクアウト可能
1週間のメニューがブログで紹介される。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

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