ジャムベリースタイル
Jam Berry
近江鉄道市辺駅を降りてすぐのところに、クレープショップ「Jam Berry」はある。ログハウス調のお店でイートインスペースもある。私の中でクレープは、どこか陽気でうきうきとした「ハレ」の日のイメージがあるのだが、そのうきうきした気分をさらに膨らませてくれるのが、大きなメニュー看板だ。そのメニュー数ときたら……それだけでわくわくするのだ。
生地にバターのみ、ジャムのみというシンプルなタイプから、生クリームチョコバナナというクレープの定番に始まりカスタードクリーム、モンブランクリーム、キャラメルソース、モカクリーム、プリン、それらを組み合わせたもの、フルーツにサワークリーム。チーズやハム、タマゴなどを組み合わせるサラダクレープもある。あれこれ迷うのさえわくわくしてくる。
「6年前の開店当初はこれほど多くなかったんですよ。あれも、これもトッピングして、というお客さんのリクエストに応えるうちに増え今では100種を超えました」と店主の堤愛珠さんが教えてくださった。
堤さんの前職はパティシエだ。クレープも好きで、お店を見つけるたびに食べ歩いてきたという。「好みのクレープになかなか出会えなくて。もっとおいしいの作れるはずっていつも思ってきたんです。子どもが生まれ育児もあったので、自分のペースで自分の好きなクレープを作ろうというのが始まりです」。
クレープというとトッピングに目を奪われがちだが、生地こそがおいしさを左右する。だから堤さんの作る生地は「生地だけ食べてもおいしい」が基本にある。サラダクレープの生地には砂糖を入れないという、生地の使い分けもする。トッピングのジャムもキャラメルもカスタードもすべて手作り、パティシエのノウハウが生きている。
「クレープは、作る工程を見ていてもらえますよね。できあがっていく様子を待ち遠しくしてもらえて、すぐに食べられるから、おいしいと喜んでいただけるのも直接、伝わってきます。ケーキを作っていた頃にはなかった喜びがあるんです」。
ところで、Jam Berryでは特注したというテイクアウト用の紙袋がある。ピンク×白の水玉のバッグの中にとりどりのクレープが詰め合わされる。 焼いた生地をいったん冷まし、クリームやフルーツをトッピングしくるっと丸める。丸めるところはあまりに手際が良すぎて見逃してしまった。大袈裟かもしれないが、気づいたのだ。一瞬の時間を共有することで、いろんなうきうきが生まれる。それが私のなかで「ハレ」の日のイメージにつながっていたのだ。
Jam Berry
滋賀県東近江市市辺町2799 / TEL: 0748-25-0654
営業時間 10:00〜18:00 / 定休日 日・月曜日
バナナチョコ生クリーム320円、バター200円、モンブラン生クリーム350円、モカチョコキャラメルナッツ生クリーム320円、サラダクレープ380円、マンゴーフルーツ350円など。
期間限定で洋梨のトッピングシリーズが登場する。
店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。
【椰子】