団子茶屋ならぬ、団子喫茶にて

mille

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 東近江市 2011年7月6日更新

店主の千菊紀子さん

 八日市を走る八風街道を南に入ったところに「mille(ミル)」という喫茶店がある。ドリップで淹れるコーヒーに紅茶、モーニング、サンドイッチ。週刊誌を片手にカウンターの一人客、テーブル席ではグループがにぎやかにしている。皆が思い思いの時間を過ごす、ごく当たり前の喫茶店の時間が流れている。
 milleでは、喫茶店としては珍しいメニューがごく当たり前のように登場する。みたらし団子である。カウンターの一角は、団子を焼く専用の台を置いた販売コーナーになっている。
 「以前に店の隣に、みたらし団子を作る工場があったんですよ。そこから仕入れて母が団子屋さんをしていました。15年前に喫茶店を始めることになったとき、喫茶店にケーキだったらどこにでもあるけれど、団子をそのまま置こうということで今も続いているんです」と店主の千菊紀子さん(67)が教えてくださった。
 かつて隣にあった工場は、みたらし団子の製造卸の「ふる里食品」さんといって、今は太郎坊宮の近くに工場があり、そこから団子もタレも仕入れている。無添加の生のままの団子だから、売り切れる分だけを注文するのだという。千菊さん曰く「団子焼くやつで5分ほどあぶって、寸胴鍋に入ったタレにたっぷり絡ませたら完成」だ。

コーヒーともよく合うみたらし団子

 千菊さんがコーヒー好きということもあって、milleのコーヒーはしっかりと濃い。こってりと甘辛い団子のタレとの相性もいい。
「日本茶はないの? と聞いていたお客さんも、コーヒーとも合うね、って言われるようになりました。もちろん紅茶でもいいですしね」。 
 ところで、だ。串にささった団子を前に、食べ方が問題である。そこそこの女性である私にとって、団子串が喉につかえるような食べ方や、横向きにしてタレで口元を汚してしまうようなこともしたくない。milleでは団子を串から外せるようにと、お皿にはフォークが添えてある。団子問題はお見通しなのである。「慣れたら、フォークなんか使わなくても上手に食べられますよ」と千菊さんは笑っている。
 考えてみれば、焼きたてのみたらし団子を食べるのって、ずいぶんと久しぶりだった。タレが口元についても平気だった頃もあったのに……。コーヒーとの相性を堪能できるのも大人になったが故、フォークを使わず、上手に団子を食べる問題を解決したいところである。

mille

滋賀県東近江市東沖野1-6-14 / TEL: 0748-22-3694
営業時間 9:00〜17:00 / 定休日 日曜・祭日

みたらし団子1本70円、団子セット450円(みたらし団子2本と400円までの飲み物)、テイクアウトは5本以上で注文。
コーヒー・紅茶・ウーロン茶350円、アメリカン370円、モーニングセット480円、トースト220円、サンドイッチ530円〜など

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

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