お多賀さんの門前で食べる「縁結びそば」

もんぜん亭

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 多賀町 2010年12月22日更新

多賀大社前駅のもんぜん亭

 近江鉄道多賀大社前駅を出ると大きな鳥居がある。随分前のことになるが、鳥居の側には旅館があった。このあたりはかつて町の中心部だったというから、お多賀さんへの参詣者でさぞ賑わっていただろう……。旅館の建物は今年の春から「もんぜん亭」というコミュニティースペースとして生まれ変わり、再び賑わいを見せている。
 もんぜん亭では第1・3土曜に「多賀そば市」が開催され、多賀町産のそばを使った二八そばをざるで食べることができる。町内で開催している「そば打ち職人養成塾」を卒塾した一期生8人がそばを打っている。 「多賀町のそばは、近畿一の生産量を誇ります。常陸秋そばという品種で、多賀の土地によく合い、風味も品質も上等です。ただ市場に出荷してしまうため、町内で育ったそばの味を知らない人も少なくありません。まずは地元の人が味を知り、さらに自らが打ったそばを町に訪れた方に振る舞えるような、地産地消を目指して『多賀そば』の名を広めていきたいと考えています」と多賀町商工会の野村道子さんが話してくださった。

縁結びそば

 11月からは変わりそばの「縁結びそば」が登場した。麺に町内産のトマトを練り込んだざるそばだ。にんじんとほうれんそうを使ったそばの結び目が飾られている。麺はほんのり赤みがさしていて、薬味の大根おろしの下にはにんじん麺で作ったハートの型が敷かれている。
 そば打ちというと男性のこだわり趣味みたいなイメージがあるが、女性が打つそばの優しい風合いを意識しているという。
 私がお邪魔したときは、多賀町商工会女性部の皆さんがそば打ち職人養成塾一期生の徳本恵治さんから指導を受けておられた。
 「女性部がそば打ちを始めて2年になりますが、楽しくてすっかりはまってしまいましたね」と部長である山本明美さんは話す。そば粉は見る間に生地になり丸まり、広げられ伸ばされていく。力強く、美しい所作だった。決して優しさだけではないそばが生まれていく。
 縁結びそばという名は、お多賀さんのご利益にちなんだものだ。人との縁だけではなく、多賀という地域とのご縁がありますようにとの思いが込められている。そば好きとしては、毎月第1・3土曜日午前11時30分〜14時の間、売り切れ御免というのが、実に魅力的なのである。

 

もんぜん亭

滋賀県多賀町多賀1322-1 / TEL: 0749-48-8955

多賀そば市

毎月第1・3土曜日  11:30〜14:00
二八そば(限定50食)、縁結びそばは奇数月の第3土曜日に登場する。(限定20食で、このときは、二八そばは限定30食)各500円。大晦日は夕方から年越しそばが販売される。そば打ち体験講座は毎月第2・4土曜に開催。予約制のため、要問い合わせ。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

いと

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