こめかの過ごし方

コーヒーとピザの専門店 こめか

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2010年5月17日更新

店主の坪居明子さん

 長浜の大手門商店街の真ん中あたりに、「こめか」はある。サイフォンでたてたコーヒーを味わうことができる店だ。観光客が多くにぎやかな界隈だが、お店に入るとそのざわつきはふっと消える。ときどき一人で訪れては、隅っこのテーブル席で時間を過ごしていた。
 こめかは「コーヒーとピザの専門店」だ。開店して15年になる。商店街に黒壁ガラス館ができて多くの人でにぎわうようになった頃、長く続いていた荒物店からの変換を図ったのが、店主の坪居明子さんだ。「やるからには本格的に」と坪居さんはピザとコーヒー、それぞれ専門店へ「修業」に出たという。
 こめかのピザはクリスピータイプで、生地から手をかける。ピザの匂いとコーヒーの香りが混ざり合わないように、カウンターからは離れた厨房でピザを焼いておられる。コーヒーもピザも好きだという、坪居さんの美学だ。
 ところで、こめかは気がつくと新しいコトやモノが存在している。例えば、周りをぐるりとフィギュアコレクションが並ぶテーブル席もそうだったし、ひそかに人気が高い手づくりクレープも、私にとっては、ある日突然に始まっていた……。また、店内の壁面は「マチエール」というギャラリーに仕立ててあり、頻繁に、地元の画家さんなどの作品展が開催されていたりするのだ。

こめかのピザとコーヒー

 「なんていうのかな、このままでいいんかな、もっと何かできるんと違うかなって、常に考えてしまうんです。現状に満足するっていうことがないのかもしれません」と坪居さんは笑う。コーヒーをたてる手を休めることなく、坪居さんは常に新しい何か、を模索しているのだ。「こめかで何に出会っていただけるかは、その人次第なんです」。坪居さんの言葉だ。
 こめかは、コーヒーとピザの専門店である。まずは、コーヒーをゆっくりと味わう。そこからの過ごし方はその人次第で広がっていくのかもしれない。
 最近、私はテーブル席からカウンター席へ座るようになった。コーヒーをたてる坪居さんの、流れるような所作は心地いい。ふとしたきっかけで、高校時代新聞部員だったという坪居さんが書いた当時の記事を読ませてもらう約束をした。こういうのは、カウンター席の特権だ。もちろん、隅っこのテーブル席は、私の特別な席で在り続けることは言うまでもない。

 

こめか

滋賀県長浜市元浜町7-18 / TEL: 0749-62-0132
営業 11:00〜18:00 / 火曜休

コーヒー420円〜 / ピザ(S)630円〜、(M)1,680円〜、(L)2,310円〜、Sサイズとのドリンクセットは890円〜、テイクアウトも可 / クレープ300円〜

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

スポンサーリンク
関連キーワード