rhythmって書けますか?

文具・雑貨店 Rhythm

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2010年5月14日更新

調剤薬局を改装したレトロな店内

 「ツバメノート」を愛用している。大学ノートという言葉を知る人にとっては懐かしい……、用の美というのだろうデザインは無骨である。界隈で扱っているところはなく、昨年末にオープンした文具と雑貨のお店「Rhythm」でそれを見つけたときは、うれしくてつい買いだめしてしまった。
 以前は調剤薬局だったという古い店舗を改装した店内には、レトロなモノが並んでいる。
 「もともと雑貨が好きでいつか雑貨屋さんを開きたいと思っていました。ここにあるのは東欧などからの輸入品や、日本製でも長年同じスタイルで作り続けているような、ノスタルジックな雰囲気の文具や雑貨です。デザイン文具と呼ばれるものとはちょっと違いますね」と店長の村岸麻美さんが話す。

 Rhythmはインターネットでの商品販売も行っている。「ウェブでの買い物は欲しいモノが明確な時や、クリック一つで明日には届くのですから便利です。けれどふらっとお店に入って、実際に目で見て、肌触りを感じ、お店の雰囲気やディスプレイをも含めて欲しくなるモノってありますよね。そんなふうに立ち寄ってもらえるお店でありたいと思っています」。村岸さんはリアルショップへの思いを説明する。
 かつて便箋や封筒、ポストカードのコレクションが趣味だった私には、あれもこれも気になる。蝋を溶かして封筒を閉じるシーリングスタンプもあった。手紙なんてほとんど出さないとわかっていても、惹かれる。Rhythmにある文房具や雑貨は、ゆるやかな空気をまとっている。コンピュータのモニターで、どんなに説明が尽くされていたとしても、伝わらないモノがあるのだ。

 こんなことを教えていただいた。店名でもあるrhythmという単語は、スペルが子音のみで母音に該当するアルファベットがない珍しい単語なのだという。「リズムってよく口にするけれど、実際英語で書いてみると難しいんですよね。書けそうで書けないんです」。携帯や文書ソフトの文字変換機能のおかげで頭文字さえ入力すれば単語が表示される便利な時代である。何が便利で何が大切かは人それぞれ。買いだめする必要のなくなった、「ツバメノート」のストックも、私には必要なことなのだ。新しいノートが何冊か側にあることの安心……。rhythmのスペルは相変わらずすぐに忘れるが、Rhythmは記憶に残る。リアルショップこそバーチャルだったりするのである。

 

Rhythm

滋賀県彦根市京町3-5-41 / TEL: 0749-21-3005
営業 11:00〜16:00(土曜は17:00)日曜・祝日休

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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