スパイスと食材の無限な組み合わせ

カレー食堂ジャンゴ

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2019年6月27日更新

店主の浅尾将大さん

 今年3月にオープンした「カレー食堂ジャンゴ」には、4月中頃には行列ができていた。開店早々テレビの取材があり、評判を聞きつけたひとびとが詰め掛けていたのである。店主の浅尾将大さんは、立命館大学時代にはキャプテンとしてチームを日本一に導き、卒業後も企業チームで活躍した元アメフト選手。引退後に料理の道にすすみ、地元・滋賀で第二の挑戦をする姿をテレビ局が一ヶ月間密着取材し、放映されたのだ。
 「ジャンゴ」のカレーは、「スパイスカレー」といわれる種類のカレー。おすすめにしたがって「4種盛り」を注文すると、中央にこんもり丸く盛られたご飯のまわりに、ポークキーマカレー、チキンカレー、ベジカレー、期間限定のイカレモンカレーの4種のカレーが盛られ、トマトやパクチーなどで彩られて見た目にもきれいな一皿がやってきた。
 とろみのない、かといってスープでもないカレーは、私たちが子どもの頃から親しんでいる、カレールーを使って作るカレーとはずいぶん違いそうだ。「ホールスパイスやパウダースパイスを使って、スパイスと素材のうまみをいかしてつくります。うちはバターも使いませんし、自然に近い味わいです。」と浅尾さん。

ランチの4種盛(1,290円)手前から時計回りに、チキン、ベジ、期間限定(イカレモン)、ポークキーマカレー。

 スパイスカレーは大阪発祥といわれ、近年各地で広がりを見せているスタイルのカレーだ。従来の日本のカレーとも違う、かといってインドやスリランカのカレーそのものでもなく、独自の進化をしており、食べ歩きをするスパイスカレーファンも多いという。「つくり手によってまったく違うのがスパイスカレーのおもしろさ。出汁やコンフィを使うシェフもいるし、驚くようなスパイスの組み合わせをするひともいます」と話す浅尾さんも、鮒寿司の飯や、ジビエを使ったカレーにも挑戦しているという。スパイスと食材の組み合わせは無限大。「国やジャンルにとらわれず、スパイスのプロフェッショナルになりたい」と話してくれた。
 さて、カレーをひとくちいただくと、辛さではなく、スパイスの香りがやさしく広がる。それぞれのカレーを味わったあとは、隣同士のカレーをまぜたり、全体を混ぜたり、一皿のなかで、ここでも組み合わせが楽しめる。そうして、あっという間に食べ終わってしまう。飲むようにカレーを食べきってしまった。
 「スパイスカレー」といっても、浅尾さんのカレーはそんなに辛いわけではない。「スパイスのいろんな香りを楽しんでほしいですね。煮込むと香りが飛ぶので、すこし低めの温度で提供しています。」と、浅尾さんのカレーには、香りにこだわりの秘密がありそうだ。帰り際、「好きなスパイスは何ですか?」と聞いてみた。「僕はカルダモンですね」と浅尾さん。「スパイスの女王」といわれるような、香りの高いスパイスだ。やっぱり、香りなんだなあ。鼻の奥に残る残り香を感じながら帰路についた。

カレー食堂ジャンゴ

滋賀県彦根市京町3-7-40
TEL: 0749-49-3557
営業時間 11:30~15:00(L.O.14:30)/ 17:30~23:00(L.O.22:30)
定休日 木曜日

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

はま

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