たこたま明石風……?
お食事処・居酒屋 兼広
たこ焼きは、そのルーツを辿ると明石焼きに辿り着くらしい。なんでも、江戸時代後期、タコを卵の黄身でくるんで焼いた料理が明石地方で考案され、昭和になってから、それを元に大阪で生み出されたのがたこ焼きだそうだ。
個人的な話だが、この辺りで明石焼きといわれて真っ先に思いつくのが、彦根市立病院近くの食事処兼居酒屋「兼広(かねひろ)」だ。
マスターの鈴木勝治さん(57)は、かつてレストラン「輪ごん」の料理長を数年間、務めた人である。「輪ごん」と聞いて、懐かしく思い出す人も多いだろう。鈴木さんがそれまでの経験を活かし、学生と地域に向けた食堂として始められたのが兼広である。
ボリュームのある定食や旬の食材を使った料理が楽しみで、何度となく通っているのだけど、なかでも僕がかなりの頻度で注文するのが夜メニューの「たこたま明石風」だったりする。ホッとする優しい味なのだ。
見た目は、いわゆる明石焼きで、蛸を入れた黄色い球を適温のスープにくぐらせていただく。程よい温もりとふわふわとした食感が面白く、ご飯はもちろん、お酒にも合う。何故、明石焼きではなく、明石風なのか……。
「元々、たこ焼きよりあっさりとした明石焼きが好きで、お店のメニューに加えました。本場の明石焼きとは違い、生地とスープの出汁にはうどんのスープを使っていますので、明石風としています。子どもから大人まで、人気のメニューなんですよ」。
兼広では、人気のたこたまをアレンジした「たこたまグラタン」や「たこたまフライ」などもメニューに加えられている。
これからも、様々にアレンジされる兼広のたこたま料理が楽しみである。
お食事処・居酒屋 兼広
滋賀県彦根市八坂町2061-26 八坂北町バス停前
TEL: 0749-24-5646
12:00〜14:00、18:00〜23:00(22:00 L.O.)
毎週水曜日のランチタイムと毎月第2水曜日休
たこたま明石風560円、たこたまグラタン600円、たこたまフライ600円(たこたま料理はすべてディナータイムのメニューです)
店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。
【水源】