せせらぎの里に、ピザ職人がやってきた

Pizzeria UNO

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 甲良町 2016年4月1日更新

 「東京からピザ職人がきた!」と話題である。場所は甲良町の道の駅「せせらぎの里こうら」。店の名まえは「ピッツェリア ウノ」という。
 駐車場からもよく目立つ、オレンジ色のルーフがついた小さな建物がピッツェリア ウノだ。大きなガラス越しに、生地を広げたり具を載せたり、その奥に鎮座する石窯でピザを焼いたりとピザづくりにいそしむ店員さんの様子がうかがえる。小さなピザ工房は外から見ているだけでも楽しい。
 件の「東京からきたピザ職人」の方の名まえはもちろん「ウノさん」だと思い込んでいたが、違った。福山聡さん、千葉県出身、33歳。この若さで、ピザづくりに携わってすでに約20年というから驚きだ。「家業だったので、仕方なくやってたんですけどね」というが、地元で父親が始めたピザ屋を手伝い始めたとき、福山さんは中学1年生。中高生の頃には長期休暇に父の知人のピザ屋に赴き、働きながらピザづくりを教えてもらったりしたこともあるそうだ。

 千葉で10年間営業したのち、東京・日本橋に進出し、イタリアンレストランとしてさらに10年間。この先の10年間について考えようという時期に、「せせらぎの里こうら」の指定管理をする会社から声がかかり、それまで縁もゆかりもなかった滋賀県へやってくることになったのだそうだ。
 ピザづくりにおいて福山さんが一番こだわるのは生地。小麦粉と水を時間をかけてしっかり結合させることが大事といい、生地は3日間寝かせるという。そして、福山さんが東京から持ってきたという石窯をつかい、400度以上の高温ですばやく、1分で焼き上げる。強い火力で焼くため、外はカリッと、中はもっちりとした噛みごたえのある食感になる。
 ピザのメニューはシンプルに4種類。バジル・トマトソース・チーズの「マルゲリータ」、野菜がごろごろと載った「地元野菜のピザ」、近江牛・白ネギ・チーズという目新しい組み合わせが意外な調和を果たす「近江牛ピザ」、そして、このあたりでは珍しいだろう「デザートピザ」。コーヒー、甲良町の食材を使ってつくるスープもテイクアウトできる。
 全種類制覇ずみの私としてはどれもおすすめなのだが、マルゲリータのおいしさには驚いた。生地も具材もシンプルなだけに、どの食材もごまかしなく美味しいことがよくわかる。
 ピザは注文を受けてから生地をのばし、焼いてくれる。注文後1枚3分ほどで完成。焼きたてをせせらぎの里に設置された休憩コーナーで食べるひとも多いし、持ち帰って家で食べるひとも多いようだ。これからの季節ならこのままピクニックに行くのもいいなと思う。
 ところで、「ウノ」というのはイタリア語で「1」という意味なのだそうだ。この地域ではないかもしれないが、店を増やしていくことを考えているという。これからどんな2、3が続くのか、楽しみだ。

Pizzeria UNO

滋賀県犬上郡甲良町金屋1549-4
TEL: 0749-29-0714
営業時間 11:00〜19:00 定休日 火曜日

テイクアウトのみ
マルゲリータ 950円、地元野菜のピザ 1,000円、近江牛のピザ1,300円など

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

枝豆

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