黒田をだしに、かんぴょうをネタに、こめて

創作和ダイニング 丸忠

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 木之本町 2014年4月21日更新

「黒田官兵衛」一色の木之本町

 大河ドラマ「軍師官兵衛」ゆかりの地として盛り上がる、長浜市木之本町へ行ってきた。官兵衛は姫路の生まれだが、黒田家発祥の地は、木之本町黒田と言われているのである。
 JR木ノ本駅から東にのびる地蔵坂商店街は、「黒田官兵衛博覧会」の幟やポスターがそこここに見られ、「黒田」の「黒」と官兵衛所用の兜の色にちなんだ「赤」で満ちている。その上、各商店ごとに黒田官兵衛にちなんだオリジナル商品がつくられているらしく、「この店にはどんな官兵衛が…」と、目移りするほどだ。

落ち着いた雰囲気の店内

 この地蔵坂商店街の一角を少し入ったところにある「創作和ダイニング 丸忠」。ここでは、ランチメニュー「黒田官兵衛セット」を食べることができる。今年1月から木之本を含む長浜市内3ヵ所で始まった「黒田官兵衛博覧会」に合わせて、当店の「官兵衛セット」も2月にスタートした。
 メニューは「黒田」にちなんだ「黒うどん」、「官兵衛」にちなんだ「かんぴょう巻き」、そして季節のデザート。「くろ」にちなんで、価格も960円だ。
 「黒うどん」は一見蕎麦とみまがう細麺で、竹炭が練り込まれたうどん。つるつるとした舌触り、もちもちとした噛みごたえ、そこに「丸忠」が70年以上受け継いできたという出汁がからんで絶妙においしい。おかみさんの田中美和子さんは、「うちはもともと食堂で、主人が寿し屋で修業して戻ってきて、寿しもするようになったの」と教えてくれた。さらに息子の雅史さんが京都での修業を経て店に戻り、現在では懐石料理もするようになったが、煮干しと鯖節からとる食堂の出汁の味は、今でも守っているという。

「黒田官兵衛セット」この日のデザートはいちごのミルフィーユ

 「官兵衛」=「かんぴょう」という呼び名は、1996年の大河ドラマ「秀吉」をご覧になっていた方はご存知かもしれないが、「官兵衛」は実際には「かんぴょうえ」と呼ばれていたのではないかとされている。黒田家に残る秀吉直筆の文書に、官兵衛のことを平仮名で「くわんひやうへ」と記されていることが根拠となっており、「かんぴょうえ」と発音されていた可能性は高いそうだ。「官兵衛」=「かんぴょう」は、たんなる言葉あそびではないのである。もともとこのあたりでは、かんぴょう巻きは食べないそうで、丸忠では、このランチセットためにかんぴょう巻きをつくっている。
 そんな丸忠では、カウンター席のショーケースに、きれいな寿しネタがズラッとならぶ。ご主人・俊之さんのこだわりで、日本海側からも太平洋側からもネタを仕入れ、マグロは築地からも仕入れているという本格ぶり。お話を伺っているうちに、次はお寿しを食べに来よう、と考えているのだった。
 官兵衛にちなんださまざまな商品が売り出されている地蔵坂商店街周辺だが、どのお店も長年当地で続いてきた商店だという風情があり、そこが魅力的だ。官兵衛めあてに訪れた人も、官兵衛だけでない魅力を楽しめるのではないだろうか。

創作和ダイニング 丸忠

滋賀県長浜市木之本町木之本1340-2
TEL: 0749-82-2169
営業時間 11:00~14:00 / 17:00~22:00
定休日 不定休
http://www.kappo-maruchu.com/

「黒田官兵衛セット」の提供は昼限定(11:00〜14:00)。
ランチメニューは他にも、豊富にあり、湖北の英雄「七本槍」から着想した「丸忠ランチ(通称:戦国ランチ)」(1,600円)など。
ランチのほか、仕出し、宴会など、幅広く対応している。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

はま

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