「木之本」を含む記事一覧

  • 2011年9月26日

    火の用心を呼びかける独特の響き
    夜回りの錫杖 まち・文化

    木之本の夜回り  私が住んでいる町内では、数週間に1度夜回り当番が回ってくる。拍子木を打ち、担当エリアを巡回する。隣町では拍子木の代わりにドンドンと太鼓が鳴る。太鼓も新鮮だったが、木之本町木之本では拍子木と共に錫杖を使う。錫杖に付けた紐を持ち、引きずって歩くのだ。  錫杖は、僧侶が仏道修行のために持つ道具の1つ...  続きを読む

  • 2011年6月2日

    波うさぎの文様再び! まち・文化

    伝馬所門右側 伝馬所門左側  「竹生島文様(波うさぎの文様)」を、僕は淡海発祥だと考えている。北国街道木之本宿、かつて伝馬所だった山路清平邸の門の両側にも、「波うさぎ」の文様がある。波を渡る兎を正面からとらえた図像だ。門の右側の瓦には2つに分かれた波に6つの波頭が、左側には4つの波頭が描かれ、時間の...  続きを読む

  • 2011年5月24日

    持って生まれた味! 純米吟醸酒粕ジェラート お店
    冨田酒造

    冨田酒造15代目の冨田泰伸さん  木之本、北国街道沿いの「冨田酒造」は、天文年間(1532〜1553)に創業し、400年以上の歴史をもつ蔵元だ。メインブランドは、「七本鎗」。銘は賤ヶ岳の合戦で活躍した秀吉軍の7人衆に因んでいる。冨田酒造は大正時代、芸術家で食にも精通した北大路魯山人が逗留したことでも知られ、看...  続きを読む

  • 2011年3月19日

    春を迎える責任 まち・文化
    木之本町黒田のオコナイ

    木之本町黒田のオコナイ  前号で紹介した木之本町田神山観音寺のオコナイがあった日、同町黒田でも、黒田神社のオコナイがあった。湖北ではオコナイが終わると本格的な春が訪れる……。  オコナイは基本的に、村内の豊作と安全を祈願する神事だ。御鏡をつくり神仏に供え、「直会(なおらい)」があり、次の年の当番にあたる「トウ...  続きを読む

  • 2011年3月9日

    日本の風景 オコナイ まち・文化
    長浜市木之本町

    木之本町の田神山観音寺のオコナイ  「オコナイ」は今となっては不思議な儀式である。少し前までは当たり前に行われていた祭礼で、不思議と感じるのは何かしらの失ってしまった欠片の多くがあることを、感じることができるからだろう。  「オコナイ」とは、『村内の豊作と安全を祈願し、一月から三月にかけて繰り広げられる祭りの...  続きを読む

  • 2010年12月9日

    寒い夜はお風呂が一番! まち・文化
    木之本生まれの野草入浴剤

    古橋薬草組合 組合長の田中英一さん  今年の春、木之本で作っているという野草の入浴剤をいただいた。素朴な草の香りと、風呂上がりのぽかぽか感が心地よく、冬には是非と思っていた。この入浴剤、「己高山野草」は木之本町古橋の「古橋薬草組合」が製造販売している。古橋は、平安時代、山岳仏教の道場として栄えた己高山のふもとに...  続きを読む

  • 2010年8月18日

    大縁日と、秀吉、秀頼 まち・文化

    木之本地蔵院の鰐口  夏休みが残り少なくなった頃の最大の楽しみは木之本地蔵大縁日だった。長浜に住んでいた私の距離感覚では木之本はちょっとしたお出かけで、北国街道沿いに立ち並ぶ露店に心躍らせていた……。木之本地蔵大縁日は年に一度執り行われる木之本地蔵院のご本尊・地蔵菩薩の大法要であり、境内の大きなお地蔵様は、秘...  続きを読む

  • 2010年7月30日

    欅の木の下で、涼を味わう お店
    けやきのした

    国道303号線沿いにオープンした「けやきのした」  梅雨が終わると、いよいよ本格的な夏の到来である。ここ数年、よく聞く言葉のひとつに「ヒートアイランド」がある。アスファルト舗装、ビルの輻射熱や冷房の排気熱、車の排気熱などによって、周辺地域よりも気温が数度高くなる現象で、高層の建物が乱立する都市部ほど著しい。この...  続きを読む

  • 2010年3月3日

    謎だった小さな鳥居 まち・文化
    黒田神社

    黒田神社の鳥居  その鳥居を見つけたのは、木之本町から余呉町の境付近、国道365号がカーブするあたりだ。  境内の入口には黒田神社と記された大きな石碑と太鼓橋がかかっている。太鼓橋のすぐ向こうにある鳥居が異様に小さい。160㎝くらいの高さだろうか。建立されたのは平成12年。地域の方が還暦を記念して奉納されたこ...  続きを読む

  • 2010年2月20日

    湖東・湖北 記憶のケンケンパー まち・文化
    No.2

     『コートには、更に多くのバリエーションがあり、愛知川の50代女性は、石を「ケンーチイッポ」と言いながら投げたという』。というところで前回は終わった。  今回はその続きである。記憶に残っている愛知川のコートは(右図)。難しそうである。  記憶をたどってもらうと、ルールは次のようなものだった。 Aに石を置く(...  続きを読む

  • 2009年12月31日

    山内製菓店のカステラパン お店

    焼き上がった山内製菓店のパン 山内辰昭さんご夫妻 袋詰めをする山内さん カステラパン以外にもさまざまなパンがある  JR木ノ本駅1階の「ふれあいステーションおかん」に立ち寄ったときのこと。農産品や特産品にまじってパンが置いてあった。カステラパンと書かれたパッケージは、初めて見るのに懐か...  続きを読む

  • 2009年9月24日

    戒壇巡り
    漆黒の世界、真の暗闇を歩く まち・文化

    木之本地蔵院  『御戒壇巡りは、これまでの自分自身を省みて積み重ねた罪障を取り除くための精神修養の道場です。御本尊の御厨子の下を巡る長さ三十一間の回廊は真の闇で、その漆黒の世界を一歩一歩静かに進んで下さい。』と書かれた説明板があった。戒壇巡りは平成18年春に始まったらしい。冥加金300円。積み重ねた罪障を取り...  続きを読む

  • 2009年8月23日

    杉野時間、千年を生きる まち・文化
    大亀山 南卦寺の秘仏、十一面千手観音菩薩

     それは偶然だったが、二人の方から別々にご案内をいただいた。「杉野の南卦寺(なんけいじ)で秘仏のご開帳があります。33年に一度です。『秘』というのがお好きでしょうから、ご案内いたします。」僕は、「秘」がよほど好きに見えるらしいが、これもご縁と、8月15日早朝、車を走らせた。  杉野は岐阜県境近く...  続きを読む

  • 2009年7月26日

    福田屋のスペシャル お店

    JR木ノ本駅前の福田屋  JR木ノ本駅前の「福田屋」は、創業から70年以上続く老舗の食事処である。店の前にある大きな柳の古木が目印で、土間を改装した店内の落ち着いた雰囲気や裏口から馴染みが来店する様子は、今も昔も相変わらずである。  現在、3代目となる福田和夫さん(58)と眞千子さん(58)がお店を切り盛りして...  続きを読む

  • 2009年3月22日

    金居原で見つけた小さな駅 お店
    小さな駅りっちゃん

    国道303号線沿いの小さな駅 りっちゃん  去年の秋の終わり、岐阜方面に向かって国道303号を走っていたときのことだ。木之本町杉野を過ぎて民家が途絶え、山と川ばかりの景色のなかに、ぽつんと建物があった。「小さな駅 りっちゃん」と看板が掲げられたその軒先で、年配の女性ふたりがカップとソーサを手に椅子に腰掛けおしゃ...  続きを読む