湖東・湖北の「馬」

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 長浜市 米原市 東近江市 2014年1月24日更新

2014年は午年。湖東・湖北の「馬」にちなんだ史跡・名勝を紹介したい。

湯谷神社と有馬の湯

 湯谷神社境内の牛頭天王(ごずてんのう)社に初詣に行った。牛頭天王社は一般的にスサノオノミコト(素戔嗚尊)が祭神で、その荒ぶるイメージが好きだ。
 湯谷の牛頭天王社は、「安政6年(1859)に悪疫伝染し、厄除けのために津島神社から米原村に勧請して、その霊験により悪疫が免れたという謂われがある「病平癒の神様」だ。 以前にも書いたかもしれないが、社の横に石でできた牛が檻の中にいる。檻は訪れる人々から牛を守るためにあるのか、牛をこの場につなぎ止めるためにあるのかは解らない。立派な角があり、目の造形も独得なこの牛を僕は気に入っている。

 ところで、以前から気になっていたのが「湯谷」という名前だ。温泉が湧いていたのではと想像はつく。実際に、社伝によると「上古出雲之国人諸国を巡視して此の山谷に至り、里民をして地を穿たしめしに、霊泉惣ち湧出せり」。輿地志略に「湯谷は昔此の地に温泉ありて、諸病を治す。或る日葦毛の子を此の湯坪に洗ひしより此の湯かるる」とある。
 神社は、古来六所権現社と称したが、明治以後、地名に因み湯谷神社と改称したというから、本当に湯は湧いていたのだ。湯坪がどの辺りにあったのかは判らないが、「葦毛の子」とは馬のことだろう、涸れたその湯が有馬温泉へ移ってしまったという話も伝わっているから壮大な話である。

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