第86回 イタリアの毎日のごはん 〜地中海式食事4〜
パンやパスタなどに用いる小麦は、地中海式食事には欠かせない食材です。この連載で紹介してきたイタリア、チェゼーナ市の学校給食でも主要な食材として使われていますが、実はイタリアにも、小麦アレルギーに悩まされる児童がいるそうです。給食に関しては、保護者との事前カウンセリングでそれらアレルギーに対応していますが、日々の食事も含め、私たちにとってのお米のような存在の小麦が食べられないのは、嗜好性だけでなく、食事の選択肢が狭まるなど、本当に大変なことだと思います。
近年日本では米の消費拡大のため、米粉が小麦粉の代用食材として、パンやお菓子などに用いられています。アレルギー対応の視点からも、世界に発信できる面白い試みだと思います。小麦グルテン無添加の米粉パンは、ふんわり感には欠けますが、フライパンで焼いたり揚げたりすれば、外はカリッ、中はモチッと、独特のおいしさです。あったかいスープとの相性も抜群ですよ。
ソーセージとキャベツのスープ
材料(2人分)
ソーセージ 8本、キャベツ 1/4玉、水 500ml、ローリエ1枚、塩こしょう 各適量
作り方
- ソーセージは切り目を数本入れる。キャベツは2等分する。
- 1と水、ローリエを鍋に入れて火にかける。沸騰したらアクをとり、弱火で20分煮る。塩こしょうで味をととのえて完成。
米粉のフォカッチャ
材料(ふたつき直径18cmフライパン1枚分)
米粉 250g、オリーブ油 大さじ1、砂糖 小さじ2、ドライイースト・塩・ローズマリー 各小さじ1、ぬるま湯 260ml
作り方
- 材料をボウルに入れてよく混ぜ合わせる。ラップをし、約30℃で30分一次醗酵させる。
- 1を軽く混ぜてガス抜きし、油を薄く敷いたフライパンに流し入れる。ラップをし、約30℃で30分2次醗酵させる。
- フライパンのふたに乾いた布を巻いて結び(しずくをよけるため)、2にふたをする。弱火で約25分焼く。
- 222をスプーンで一口サイズにし、中温の油で揚げてもおいしいですよ。
あきこ Profile
1977年生まれ。兵庫県明石市出身。京都の大学に在学中、旅行をきっかけにイタリアに魅了される。その加熱ぶりは卒業論文のテーマを「バルサミコ酢」にしてしまったほど。卒業まもなく管理栄養士の資格を取得。半年後、憧れのイタリアへ料理の勉強に旅立つ。2004年4月より彦根市内に勤務し、現在は湖国ライフを満喫中。