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彦根市の記事一覧

  • 2018年12月3日

    癒し処 Kyou-Nagomi お店

     観光客でにぎわう彦根の夢京橋キャッスルロード。その一角にある「宗知庵」の2階で、「癒し処 Kyou-Nagomi」は今年7月にオープンした。2階にあがると、観光地の喧騒を忘れるような落ち着いた和の空間で、店主の山下京子さんがあかるく迎えてくれた。  山下さんは3年ほど前、お母さんの体調が悪くなったことをきっかけに... 続きを読む

  • 2018年11月26日

    半月舎だより 25 まち・文化

    3つの本屋の「おなみだぽいぽい」  2016年から、滋賀県立大学教授の細馬宏通さんをお迎えし、「かえるの学校」というシリーズ名で、音楽やマンガなどの講座をさせてもらってきた。年ごとにテーマを決め、半月舎で隔月開講してきたが、今年は絵本をテーマに、近所のカフェ・朴さんで4回開いた。  絵本というと、「名作」とい... 続きを読む

  • 2018年11月16日

    湖東・湖北 ふることふみ 50
    天狗党の乱 まち・文化

    天狗党の墓所(敦賀市)  禁門の変が起こっている頃、江戸の近く水戸藩では長州藩の挙兵に匹敵するくらいの混乱が起こっていた。天狗党の乱である。  水戸藩は光圀が勤皇の意志を示して以来、家臣たちは佐幕派と勤皇派に分かれ、血で血を洗う政権争いが行われていた。幕末になり諸生党(佐幕・門閥派)と天狗党(勤皇)に分裂し、... 続きを読む

  • 2018年11月9日

    ベニチャワンタケ まち・文化

     雨が降った日、濃い金木犀の香りがした。今年はその一日だけの経験だった。外に出ていない証拠のようなものかもしれない。二週連続で大きな台風がやってきたせいかもしれない。城山の木々が倒れ、神社の神木も痛々しいままだ。佐和山にも登った。ベニチャワンタケが妙に目に付いた(ベニチャワンタケモドキかもしれない)。枯れ枝のその... 続きを読む

  • 2018年11月6日

    失われた風景 まち・文化

    題目岩 誓いの御柱 石造七重層塔  多景島には失われた風景が二つある。ひとつは、「題目岩」、もうひとつは「誓いの御柱」が建つことによって失われた。  多景島は、犬上川河口の沖合約5キロ、湖の真ん中に浮かぶ島である。長辺約240メートル、最大幅約80メートル。花崗岩が湖底から屹立し岩肌がむき... 続きを読む

  • 2018年10月31日

    半月舎だより 24 まち・文化

    かたよった彦根案内  7年前、半月舎の開店に先んじてはじめた一箱古本市「ひこねウモレボン市」。今年で8回目を迎えた今回はお天気もよく、たくさんの方がお越しくださった。なにをもって催しを「成功」というのかいまだにわからないが、今回50を超えた出店者さんの多くが、「また来年」と言ってくださったことに、ひとまずほっと... 続きを読む

  • 2018年10月17日

    「懐かしい風景」という情報 まち・文化

     もう随分と長くこの仕事をしているので、いろんな場所に行ったし調べたりもしたが、未だに新しい発見ばかりである。世界の変化に追いついていないということもある。或いは、知識が深くなり、基礎データが増えて、世界が異なって見えてくるということもあるのかもしれない。視線の位置が変わったり、体調によっては空気の色まで変化した... 続きを読む

  • 2018年10月8日

    湖東・湖北 ふることふみ 49
    禁門の変 まち・文化

    井伊直憲が護衛した朔平門  幕末から明治維新の政治舞台は京都であるとのイメージがある。しかし京都が政治の中心になるのは禁門の変以降であることはあまり重視されない。大河ドラマ『西郷どん』を観ていると、島津久光に冷遇され遠島になっていた西郷吉之助がいきなり薩摩藩の主要人物になっているように感じるが、実はここには大... 続きを読む

  • 2018年10月1日

    半月舎だより 23 まち・文化

    本屋らしくなる  8月、前半のお盆休みと中盤の出店期間を経て、後半も店を休んだ。秋で開店七年を迎える店内は、買取したまま棚に入れることができない本で埋め尽くされてにっちもさっちもいかなくなっており、ここらで大掛かりに整理しなくてはならない、とかねがね思っていた。8月後半は、店舗改装のためにお休みをいただいたので... 続きを読む

  • 2018年9月28日

    Extravaganzi!! まち・文化

     平出智子(ひらでともこ)さんからスミス記念堂でコンサートをしたいとご連絡をいただいて1年近くになる。  平出さんは、滋賀県東近江市の出身である。近江兄弟社(現・ヴォーリズ学園)中学・高校を経て、エリザベト音楽大学パイプオルガンコースを卒業。しばらく音楽活動から遠ざかっていたが、2008年渡仏。古楽部門に定評の... 続きを読む

  • 2018年9月24日

    神社酒場 まち・文化

     不信心な私は特定の宗教に帰依していないが、ときどき訪れる神社がある。彦根城にほど近い、「滋賀縣護国神社」だ。戦没者をはじめ公職殉職者をまつる神社だが、この境内では月に一度の朝市や、年に一度の一箱古本市などがあり、そんなことをきっかけにしばしば足を運ぶ。そして今月末はなんと酒を飲みに行く。「神社酒場」というイベン... 続きを読む

  • 2018年9月12日

    湖東湖北 ふることふみ48
    天誅組の変 まち・文化

    櫻井寺(奈良県五條市須恵1-3-26) 天誅組本陣跡の碑  桜田門外の変の2年後に幕府内の政変から彦根でも政変が起こり尊王攘夷派の岡本半介が実権を握った。これにより直弼に近かった家老は失脚し、長野主膳と宇津木六之丞は斬首される。しかし幕府は桜田門外の後に直弼生存という虚偽の届けを提出した彦根藩に10万石減封と... 続きを読む

  • 2018年9月3日
    No Image

    半月舎だより 22 まち・文化

    夏の野望  8月16日の朝、前日おそくまでかかって箱詰めした本を車に積んで、京都に向かった。めざすは四条河原町にあるデパート「マルイ」。マルイエントランスで開催された若手古本屋8店舗による4日間の催し「京都マルイ 夏の古本市」に、本を納め、一日店番をするためだった。  開店前のデパートで、「催事用ワゴン」という台に本... 続きを読む

  • 2018年8月15日

    湖東・湖北ふることふみ 47
    堺南台場 まち・文化

    彦根藩が築いた幕末最大規模の「堺南台場」  桜田門外の変から明治維新まで7年の期間がある。私たちは彦根藩が井伊直弼暗殺後に何の動きもないまま明治維新を迎えた様に感じている。しかし、この間にも彦根藩はたくさんの苦悩があり歴史の舞台のちょっと脇を歩んでいた。今回からそんな幕末維新の彦根藩の姿を現場ごとに追ってみた... 続きを読む

  • 2018年7月31日

    半月舎だより 21 まち・文化

    夏の野望  こんなに暑いのだから、できれば外に出ずに、店のなかで涼しい空気に包まれて過ごしたい。本来なら、店の帳場に陣取って、引き取った本のそうじや値つけ、読書に勤しみたいところだ。しかし夏はイベントも多く、基本的に仕事を断らないという姿勢でお声かけを受け続けていたら、とても忙しくなってきてしまい、驚いている。... 続きを読む

  • 2018年7月13日

    湖東・湖北 ふることふみ 46
    川瀬太宰の妻 まち・文化

    川瀬太宰邸址(大津市)  山本周五郎の短編集『日本婦道記』の完全版が文庫化された。戦中戦後に武士の妻を主人公にした女性の生き方を描いた作品であり直木賞候補にもなったが、周五郎自身が受賞を辞退(山本周五郎は文学賞の受賞を生涯辞退し続けた)したため幻の直木賞作品とも言われている。完全版と言われるのは婦道記の意向で... 続きを読む

  • 2018年7月6日

    がま仙人との出会いは水無月に まち・文化

    宗安寺(彦根市)劉海蟾(りゅうかいせん) 仙人は人気なのだろう。鳥山明の漫画『ドラゴンボール』の亀仙人は、武天老師と呼ばれる武術の達人で、「かめはめ波」を編み出した人物。亀仙人のライバルは鶴仙人。『封神演義』(ほうしんえんぎ)は文字通り中国の古典『封神演義』を元にしているし、『ナルト疾風伝』の仙術や仙人モードはあ... 続きを読む