湖北の大豆の豆乳アイス

Moon Food Japan

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2017年8月8日更新

 「湖北産の大豆をつかって、『MOONアイス』という豆乳アイスをつくっている夫婦がいる」と聞いたのは春のこと。夏になり、今、私のまわりでは「MOONアイス、食べた?」と、すっかりうわさになっている。その濃厚で上等な味わいに、実はやや豆乳が苦手な私でさえ、「おいしい!」と声をあげてしまった。
 『MOONアイス』こと、『MOONアイスデザート』をつくるのは、長浜市余呉町に暮らす東野雄史さんと、妻のマルツェリーナさん。湖北で無農薬栽培された大豆から絞る豆乳と、国産きび砂糖を中心に、ふたりが認めた安全で安心な素材から、MOONアイスはつくられる。ふたりの食生活は、肉や魚だけでなく、乳製品や卵も避ける「ヴィーガン」(完全菜食)を基本としていて、だから彼らがつくるアイスも、植物を原料にした食品のみからつくられている。「乳製品や卵のアレルギーのあるお子さんやお母さんがすごく喜んでくれるのが一番うれしい」と雄史さんは話す。
 大学卒業後、スコットランドに渡った雄史さんは、日本料理屋で働いていた頃にマルツェリーナさんと出会い、彼女の母国ポーランドでヴィーガン食のテイクアウェイ専門のお店を開店。ヨーロッパではヴィーガンの考えは進んでおり、ふたりのお店は大盛況で、毎日200〜300人ものお客さんが訪れたそうだ。けれども、何人もの従業員を雇い、休む間もなく働く日々に、「ふたりで田舎へ移ろう」と、東野さんの地元、余呉町への移住を決めたという。
 6年半の海外生活を経て、今年1月に帰国した東野さんは、若い頃から知り合いだった、湖北町のシバタプラセールファームさんが無農薬で育てる大豆のことを思い出した。「あのおいしい大豆で、自分たちにしか作れないものをつくろう。」そう考えた末、豆乳アイスに行きついたのだそうだ。
 しかし、通常のアイスクリームづくりに欠かせない乳製品、卵、さらに白砂糖も使用していないので、納得のいくアイスとなるまで、ポーランドにいた頃から数えて3年ほど研究を重ねたそうだ。「油分が少ないため、味気なく、シャーベットのような口どけになりがちなことが悩みでしたね。ヴィーガンだから、ではなく本当においしいから選ばれるものをつくりたい」と、ひとつずつ課題に取り組み、純粋豆乳・ココナッツバニラ・チョコレート・抹茶・ソイラテの5つの味のアイスが完成した。
 味においても口どけにおいても、一番大切にしているのは大豆。「せっかくのおいしい大豆の味をどうしたらいかせるか、大豆そのものの甘みをどう引き出すか」と大豆にむきあい、自分たちでじっくり時間をかけて絞り出している濃厚な豆乳は、口どけの問題も助けてくれたという。「時間もかかるし、自然の限界があるので大量生産はできないけれど、だからこそ本当にもとめている人に届けたいですね」と話す雄史さんは、遠くに光る月と、足元の大地とを、しっかり見つめているように思えた。

 

Moon Food Japan

ウェブショップ、イベントでの販売のほか、県内では以下のお店でもMOONアイスデザートが提供・販売されています。

レストラン
filles de la ferme(長浜市)・DON DOG(長浜市)・きゃべつ畑(彦根市)・レストランびわ(長浜市)・丘峰喫茶店(長浜市)・ワニカフェ(高島市)・なぎさWARMS(大津市)・VOID A PART(彦根市)

小売店
北ビワコホテル グラツィエ(長浜市)・wakkaya(犬上郡多賀町)・ウッディパル余呉(長浜市)・三徳 三太郎(長浜市)・賤ヶ岳SA(下りのみ、長浜市)

http://moonfoodjapan.com/

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

はま

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