「彦根」を含む記事一覧

  • 2021年12月8日

    Fox Hole no.5 まち・文化

    狐の穴  「Fox Hole」、文字通り「狐の穴」である。今まで何度かFox Holeについて書いてきた。ある程度のボリュームがあるものはDADAジャーナルで4回ほど。最初の原稿は2017年、この原稿を5回目とする。  Fox Holeは稲荷の社に空けられた穴のことだ。コンクリートや石組みの台座に空いている...  続きを読む

  • 2021年11月28日
    No Image

    大丈夫、心配ないよ まち・文化

     緊急事態宣言が解除になり、11月、コロナ禍で自粛していた昨年のイベントの数々が行われた。元通りとまではいかないが、少し前の世界がもどってきたようである。彦根の商店街でも「えびす講」があり、多くの人で賑わっていた。  僕は商店街へ向かう親子やカップル、お年寄りや若者グループとすれ違った。皆、嬉しそうだった。心底楽しそう...  続きを読む

  • 2021年11月17日

    千代宮常夜灯と柳町 まち・文化

    イントロ 石川千代松先生像  石川千代松博士の胸像写真が必要だったので撮りに行ったときの話だ。彦根の旧港湾、かつて鮎苗協同組合があった場所(彦根市元町)、船町の交差点近くにある。昭和49年(1974)、石川先生小鮎移殖顕彰会が建立したもので、「石川先生顕彰の碑」には次のように記されている。 「石川千代松...  続きを読む

  • 2021年11月10日

    湖東・湖北 ふることふみ 85
    『彦根城総構え400年』(六) まち・文化

    彦根市本町三丁目の信号から見る彦根城天守  今更ではあるが「総構え」の定義は難しい。城を中心とした外郭と解釈されている。単純に考えると防衛や生活・経済が城と総合的に結び付いていて堀や土塁などで囲まれた区域である。  中国などの諸外国の城は城下町を含み高い城壁に囲まれている光景である。これに対し日本の城は城下町...  続きを読む

  • 2021年10月13日

    湖東・湖北 ふることふみ 85
    『彦根城総構え400年』(五) まち・文化

    彦根城下町の食い違い(彦根市本町二丁目)  前回、彦根城下町は彦根道から始まったと考えられることを記した。これは彦根だけの話ではなく都市計画においては当たり前のことである。しかし、時代の需要によって町の形は変わってくる。  古代は京都市内に碁盤の目として今でも残るような条里制が主流であり、この形は都市だけでは...  続きを読む

  • 2021年9月8日

    湖東・湖北 ふることふみ 84
    『彦根城総構え400年』(四) まち・文化

    鳥居本宿南端・彦根道への石柱  《道》は不思議である。「すべての道はローマに通ず」との有名な言葉があるように日本が記録に残る歴史を有する前から人類史の中で道は重視されていた。では道が人類の英知なのかと言えば、それは否と答えざるを得ない。動物が動く場所には目に見える形で獣道ができる。また植物が繁殖するルートも道で...  続きを読む

  • 2021年9月1日

    旅館の玄関が食事処に! お店
    清瀧旅館

     彦根の芹川沿い、袋町にある清瀧旅館7代目の中溝雅士さん(56)とはすいぶん長いつきあいである。編集部事務所の引き戸が突然開いて「入りま〜す」、或いは「あがりま〜す」と声がして、2階へ続く階段をのぼってくる。声の調子や足音で中溝さんの調子がわかる。大抵はちょっとした手土産を持参。電話ですみそうな用件のあと、その...  続きを読む

  • 2021年8月11日

    湖東・湖北 ふることふみ 83
    『長曽根郷土史』 まち・文化

    『長曽根郷土史 わがふるさと長曽根の歴史』表紙  歴史調査に欠かせない情報として郷土史がある。  郷土史作成は、行政が市史・町史などの編集時に協力した郷土史家の声掛けや歴史継承の危機感など多くのきっかけがあるが平成から令和へと時代が進む今は郷土史を作成する最後のチャンスであるとも言える。それは太平洋戦争を経験...  続きを読む

  • 2021年7月7日

    湖の小糸漁! まち・文化

    朝日とともに帰港。湖からみるはじめての朝日だった。 小鮎  「お中元」のことを考えていた。「お歳暮」なら年の暮れ、しかし「中元」がわからない。中国の道教由来の文化らしい。中国の暦では1月15日は上元、7月15日は中元、10月15日を下元という。中元は日本でいう「お盆」。仏教の風習と混ざり、お世話になってい...  続きを読む

  • 2021年7月2日

    湖東・湖北 ふることふみ 82
    『彦根城総構え400年』(三) まち・文化

    奥山家墓所(ただし六左衛門の墓石はない)  前稿では六左衛門が誕生する頃までの奥山家について記したので、今稿では六左衛門について書いてゆきたい。  「国宝・彦根城築城400年祭」の頃から井伊谷での井伊家を調べていた私は、井伊直親が暗殺された後に鳳来寺山に逃れることとなった虎松(のちの直政)に同行し幼い虎松を守...  続きを読む

  • 2021年6月17日

    湖東・湖北 ふることふみ 81
    『彦根城総構え400年』(二) まち・文化

    奥山氏居館跡(浜松市北区引佐町奥山)  大河ドラマには大きな功罪がある。通常では注目されない人物をも描くことで世の中に周知される功。その反面、ドラマに登場しなかったために重要性が失われる誤解を招く罪。近年では『麒麟がくる』が後者であり、『真田丸』は前者だった。  平成29年(2017)の大河ドラマ『おんな城主...  続きを読む

  • 2021年5月20日

    湖東・湖北 ふることふみ 70
    『彦根城総構え400年』(一) まち・文化

    彦根城研究の先駆け『彦根山由来記』(昭和44年再版分)  元和8年(1622)彦根城築城第二期工事が終了する。これにより彦根城は城下町を含めて現在に近い町割りが完成した。  2007年、実際よりも1年ずれる形で『国宝・彦根城築城400祭』が開催されてから15年が経過する来年(2022)こそが本当の意味で彦根...  続きを読む

  • 2021年5月19日

    大蔵省用地の石碑 まち・文化

     僕は大人になってからほとんどテレビを観ない人間になった。毎週同じ時間にテレビの前に座わり連続ものを観るなど到底叶わない。  だが今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」は、渋沢栄一が主人公である。観なくてはならないと思った。全て観ようと僕が決心したというのは青天の霹靂のようなものである。  今年に限って観る気にな...  続きを読む

  • 2021年4月16日

    湖東・湖北 ふることふみ 79
    『渋沢栄一の義姪になった彦根人』 まち・文化

    韮塚直次郎と美寧の墓(深谷市明戸 阿弥陀寺 韮塚家墓所)  渋沢栄一の義兄である尾高惇忠の意に沿って富岡製糸場の女工たちを教育した人物が遠城繁子であることを前稿で紹介したが、もう少し深く掘り下げて考えると、惇忠が女工募集を行って3年後に突然やって来た繁子の行動も、繁子や夫・謙道について惇忠が知っていることも...  続きを読む

  • 2021年4月2日

    井伊神社の枝垂れ桜 まち・文化

     飲食を伴う花見はほとんどしたことがないが、一度だけ、ずいぶん昔に井伊神社の枝垂れ桜の下で花見をした。満開の桜がポツンとあるようで「こんな場所があったのか」と驚きながら、立派な桜を私たちだけでだけで独り占めし、花の下でよく笑い、よく食べた。  井伊神社は佐和山のふもと、清凉寺、龍潭寺と並んである。さらに進めば大...  続きを読む