半月舎だより 31

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2019年7月17日更新

近所のイベントに三輪自転車で赴き、出店

野外映画上映会「びわ湖の渚映画館」での出店

古本屋台

 ワイン屋とけんかをした。
 ワイン屋とは古本とワインを半月の晩に楽しむ「半月ワインバー」を一緒に続けてきたが、それも小休止することとした。けんかといっても絶交するようなけんかではなく、言いたいことを言った後はお互い矛先をおさめ、他の話題にうつった。ワインバーを楽しみにしてくださっていたみなさんには申し訳ないけれど、時期が来ればまた、ワイン屋と一緒に何かすることもあるだろうと思う。
 話は変わるが、「古本屋台」という漫画を愛読している。(著者QBB…作:久住昌之、画:久住卓也・集英社)都会の片隅のどこかで、夜な夜な灯る「古本」の赤提灯。ラーメン屋台のような風態で、しかし大八車には本棚が設えられ、なかにはずらりと古本が並んでいる。奥に座るのは無愛想な親父。「うちは飲み屋じゃないんだ」が口癖で、注文できる唯一の飲み物・白波お湯割り(100円)は、ひとり一杯まで。仕事帰りのサラリーマンが、一日の疲れを癒しにやってくる…そんな屋台に憧れ、昨年、わたしも大八車を購入した。
 屋外で本を売買することに抵抗のあるひともいるかもしれないが、わたしは楽しい。先月出店した野外映画上映会「びわ湖の渚映画館」では、湖の見える広場にテーブルや本棚を広々配置し、夜には明かりをともし、夢みたいにすてきな空間ができた。本も一軍を揃えてのぞんだが、空振りだった。その翌々週には、三輪自転車の荷台に椅子と本を積み、近所の路上イベントに赴いた。袋町というスナック街での出店だったので、ちょっといかがわしい夜の雰囲気がある本を集めてみた。小さな音楽イベントだったが、お客さんも主催者さんも喜んでくれ、本も売れた。大八車はひいていないが、これらも古本屋台活動の一環と思っている。半月ワインバーは一時休止するが、まちかどで屋台を引く日は近い気がしている。

M

編集部

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