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はまの記事一覧

  • 2015年8月17日

    たこ焼き道 お店
    多幸屋

     「たこ焼きが好きなんだね」と言われてようやく気がついた。よくたこ焼きを食べている。店ごとに食べ比べることはあまりしない。「うまい」と思った店に通い続ける。そういうタイプの「好き」なのである。そんな私が近ごろ通っているのは、「多幸屋」というたこ焼き屋だ。  多幸屋は昨年秋、彦根市京町の交差点に、たこ焼き職人歴14... 続きを読む

  • 2015年7月3日

    ママによるママへの応援 お店
    子育て応援カフェ LOCO

     近しい人に子どもができてようやく、「子育てとはどんなものだろう」と思いをめぐらせるようになった。「ママになると今までとは世界が変わるよ」そんな話も耳にする。どういうことだろうと思いをめぐらせていた矢先、長浜曳山祭の山組「御堂前組諫皷山」の町家(ちょういえ)で、「子育て応援カフェLOCO」がオープンした。0歳から... 続きを読む

  • 2015年6月22日

    路上観察・始めました 6
    高所ドアのある建物 まち・文化

    彦根市元町  「トマソンとはどんなものか」という話をするとき、「建物の一部や構築物で、本来の役割をもはや果たしていないけれども残っている『無用の長物』」という定義とともにご紹介したいのがこの物件だ。  トマソンという概念を知らなかった頃から、私はこの建物が大好きだった。年月を感じるやさしい肌色の壁、あたたかみ... 続きを読む

  • 2015年5月11日

    音なりの庭 at コホウアン まち・文化

     近江孤篷庵の近くに生まれ育った中居真理さんは、地元にいた頃は一度も孤篷庵を訪れたことはなかったという。周囲の自然を借景に取り込んだ庭、その庭を眺めるためにつくられた開放的な建物が気持ちよく、「近所にこんな場所があったなんて」と驚いたそうだ。「この気持ちのいい場所で音楽を聴いたりしたら気持ちがいいだろうなあ」とい... 続きを読む

  • 2015年5月4日

    バレエスタジオに通う まち・文化
    マーガレット・バレエ スタジオ

     子どもの頃よりも自分の身体が遠いなあ、と思う。あの頃より成長したはずなのに、あの頃よりどんくさい自分を、近頃よく感じる。いつも同じ箇所を同じようにしか動かしていないし、動く量も少ない。  なにか運動というか、自分の身体と向き合うということをしたいとぼんやり思っていたところに、昨年夏、編集部の近所で「マーガレット... 続きを読む

  • 2015年4月15日

    まいバーラちゃんの旅 まち・文化
    米原市近江公民館

     まいバーラちゃんという人形が、旅をした。2012年10月1日から翌年3月31日までの半年間に、11都県19カ所、人の手から手へと渡っていく冒険だった。背中には、まいバーラちゃんを受け取ったひとがメッセージを書くための手帳を背負っていた。  はじまりは、米原市近江公民館のゆるキャラとして、「まいバーラ」が誕生した... 続きを読む

  • 2015年3月9日

    ヴァイオリンがはこぶ春のそよ風 ひと
    高岸卓人さん

     彦根市の文化施設「ひこね市文化プラザ」で働いていた頃、古株職員の口から「高岸くん」という名まえをしばしば聞いた。皆「高岸くん」を親戚の子どものようにかわいがっていたようだった。  「高岸くん」こと高岸卓人さんの歩みは、文化プラザの歴史とともにあるとも言える。文化プラザは、彦根市の新しい文化的拠点として、18年前... 続きを読む

  • 2015年2月17日

    路上観察、始めました 2
    彦根城京橋口石垣の釘 まち・文化

     まちのなかの風景は様々で、どうしてそうなっているのか、考えても解らないことの方が多い。長い時間のなかで暮らしと共に少しずつ様子が変わり、気が付けば新しい風景になっていたりするのだろう。記憶が途切れて忘れられていることも多い。彦根城京橋口の石垣もそうだ。釘が打ち込まれている。  彦根東高校から夢京橋キャッス... 続きを読む

  • 2015年2月9日

    楽しいご飯の時間 ひと
    Ku-’sキッチン 蓮溪邦枝さん

     1日3回、きちんとご飯を食べる。それは子どもの頃母親にしつけられたことであり、母親は毎日、台所で忙しく立ち働いていた。今では自分で台所に立つし、自分で選んだものを食べるようになったけれど、好きなものを好きに食べられるうれしさと裏腹に、つまらないな、と思うこともある。何が出てくるのかなと思うこともないし、単調にも... 続きを読む

  • 2015年2月2日

    素敵な贈り物 お店
    Pâtisserie Aux Bons Cadeaux

    村方純さん  「Aux Bons Cadeaux(オ・ボン・カドー)」というフランス菓子のお店が、11月、長浜市祇園町に開店した。  店名の由来を尋ねると、シェフ・パティシエの村方純さんは、「『ボン・カドー』はフランス語で『素敵な贈り物』の意味」と教えてくれた。誰かへの贈り物にしてほしいという思い、お店そのも... 続きを読む

  • 2014年11月28日

    55回目の巻開 まち・文化
    彦根市金沢町和楽会の冠句会

     11月3日文化の日、彦根市の金沢町和楽会の「巻開(まきびらき)」がおこなわれた。「巻開」は「冠句開き」とも言い、金沢町和楽会の会員から投稿された冠句のお披露目の会である。  「冠句」…恥ずかしながら今まで知らなかったのだが、ご存知の方は多いのだろうか。冠句の形は、俳句と同じ上五文字、中七文字、下五文字の「五・七... 続きを読む

  • 2014年10月27日

    古民家で聴く、ウィーン仕込みの歌声 ひと
    中嶋俊晴さん

     彦根市正法寺町出身、28歳の中嶋俊晴さんは、世界的にも希少な声種である「カウンターテナー」の歌手である。  小学生からピアノを始め数々の賞を受賞したが、高校生の時ミュージカルに夢中になり、声楽へ転向。関西の名門京都市立芸術大学を卒業し、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程に入学。京都市芸術文化特別奨励者に選ばれ... 続きを読む

  • 2014年8月20日

    とある古民家で過ごす夕暮れ お店

     暮れそうで暮れない夏の夕暮れ、駅を降りて北国街道を南へと歩く。軒の低い古民家のシルエットが連なるまちは、車が時折通るものの少しずつ夜をまとい音が少なくなっていく。一軒、そこだけぽつんと灯りがともるように、古民家を改装したフレンチレストラン「filles de la ferme」(フィーユ・ドゥ・ラ・フェルム)は... 続きを読む

  • 2014年8月1日

    マンゴーとふるさととかき氷 お店
    kirakira Mango

     頭上は曇り空で覆われ、蒸し暑い空気の中、居るだけでじっとりしてくる。不快指数、ということばが頭をよぎる。  個人的なことだが、彦根に来て10年になる。しかし気候には未だに慣れない。夏は蒸し暑すぎるし、冬は暗すぎると感じる。だからといって故郷に戻ることは考えられないが、10年経っても馴染めないことはある。もちろん... 続きを読む

  • 2014年7月24日

    近江の地獄めぐり まち・文化

     子ども時分、軽業師のそうべえが地獄で大活躍する楽しい絵本「じごくのそうべえ」を愛読していた為か、個人的には、地獄についてのイメージは悪くない。ちょっと行ってみたいな、とどこかで思っていたくらいだ。この春から、近江鉄道多賀大社前駅から多賀大社へと続く門前町で「地獄めぐり」ができると聞き、地獄見たさに、... 続きを読む

  • 2014年6月24日

    とくべつなかき氷 お店

     かき氷って、なんか特別な食べ物だ。夏にしか食べられないからだろうか。夏祭りの思い出につながるからだろうか。いずれにしても、あの綺麗な色の氷の山を崩し始めるとき、私の心はわくわくとして落ち着かない。夏の思い出をより鮮やかにするような、やっぱり特別な食べ物だと思う。  そんなかき氷のなかでも、とりわけ特別なかき氷が... 続きを読む

  • 2014年6月13日

    政所 茶の味 ひと
    山形 蓮さん

    山形 蓮さん  5月半ば。以前DADAでも記事を書いていた山形蓮さんに会いに、鈴鹿山脈の山間にある政所をはじめて訪れた。政所がこんなにきれいなところだとは知らなかった。見渡す限り緑の山、澄んだ水が岩壁を濡らす谷、茅葺き屋根の集落、斜面をもこもこと覆う茶畑、川の音が聞こえるばかりの静けさ。絵に描いたような田舎の... 続きを読む