王国の、最高にフレッシュな 「いちごジャム」

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2012年2月20日更新

吉安純一郎さんと知里さん夫妻

 「できたてに勝るご馳走なし」とはよく聞く言葉で、とれたて、調理したての食べ物はやっぱりおいしいと思う。とは言っても収穫したてをすぐに食べることはこの時代難しい。それを身近で可能にしてくれるのが果物狩りかもしれない。今の季節ならば、いちご狩りだ。
 長浜市榎木町にある「純野菜王国」は、吉安純一郎さん(31)と知里さん(30)夫妻が営む野菜農園である。ここでは、純一郎さんは自らを国王と名乗る。知里さんは王女だ。
 純一郎さんは大学卒業後、農業体験をしたことを機に就農を決めた。米でなかったのは「自分を表現できるのが野菜」だと直感したからだ。「毎日声をかけ健康で丈夫なからだを作ってあげれば大きな実をつけてくれます。ゴールがないのが農業のおもしろいところです」。王国の作物は国王と王女の子どもたちであり、国王自身でもあるのだ。
 王国では12月から5月まで2棟のビニールハウスをいちご園として開放している。果肉が柔らかく甘味が強い「章姫」と酸味と甘味がバランス良い「紅ほっぺ」の2種が高設栽培という方法で育てられている。大人の腰ぐらいの高さで育つので、しゃがみ込まず歩きながら収穫できるのも嬉しい。

 形や色を比べながら摘み取っていると、食べ頃を見極める目が養われていくようで、いちご選定のレベルもアップしていく。ビニールハウスは、つかの間、私だけの王国になって充分満足なのだが、別の楽しみ方として新鮮いちごのジャムづくり体験ができる。
 受付の隣には、カセットコンロと小鍋が用意されていて、知里さんが側についてアドバイスしてくれる。140gのジャム1瓶を作るには約200gのいちごが必要で、紅ほっぺで作るのがおすすめだそうだ。
 砂糖を入れて火にかけるとあっという間にいちごが崩れ水分が出てくる。甘酸っぱい香りがハウス中に広がっていく。ぐつぐつ煮込んで水分がなくなれば焦げつきに気をつけ注意深くかきまぜる。市販のジャムよりもう少しトローリとした状態になれば完成!30分程度のあっという間のジャム作りである。
「きれいな色でしょう。とれたてのいちごで作るジャムは香りと色が格別に良いんです」と純一郎さんが話す。まだほかほかしているいちごジャムをパンにつけて食べてみる。甘さと香りが体にしみる。太陽が出ていればハウスの中はぽかぽかと暖かい……。
 いちごの季節が終わると、きゅうりとトマトがこの国では育ち始めることになっている。

 

純野菜王国

滋賀県長浜市榎木町1722 / TEL: 090-8822-8360
営業時間10:00〜17:00/定休日 火曜日 

いちご狩り

要予約。45分間食べ放題で料金は期間によって変わる。
大人1,800〜1,200円、小学生1,500〜1,000円、3〜6歳1,200〜800円、3歳未満無料

ジャムづくり体験

要予約。土日祝は15:00以降のみ。1人1瓶で1,000円。瓶へのデコレーションなどもするので、グループや家族での申し込みが望ましい。
*いちご・いちごジャムの直売もあり

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

なつめ

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