噂のハンバーグランチ

おにくや食堂 Suehiro

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2011年10月14日更新

おにくや食堂 Suehiro 店内

 ハンバーグが好きだ。お箸を入れたとき、肉汁があふれるジューシーさを目指し作るのだがうまくいかない。そのせいかハンバーグがおいしいというお店の噂には敏感だ。
 7月、長浜のまちなかに「おにくや食堂 Suehiro」がオープンした。ランチメニューのハンバーグが評判だという。噂のハンバーグはボリュームある180g。脇に香辛料が添えてあるが、まずはそのまま、食べるのがおすすめだ。
 お店を営むのは野村賢治さん(31)、弥生さん(29)ご夫妻。賢治さんの実家は、市内にある創業約80年の精肉店「スエヒロ」だ。結婚後スエヒロを継ぐにあたってのふたりは「気軽な形でお肉のおいしさを伝えたい」をテーマにした。元々賢治さんは大手肉まんメーカーで商品開発に携わり、弥生さんは大学で栄養科学を学び、料理も得意だった。お互いの経験と技術を生かし、たどりついたのが「おにくや食堂Suehiro」である。

野村賢治さん、弥生さん夫妻

 お店では賢治さんが肉の切り分けや下処理を、弥生さんが調理を担当する。ランチはハンバーグの他、牛丼や牛すじ肉のカレーがあり、すべて近江牛を使う。一方でディナーは、近江牛だけではない和牛を使ったコース料理が登場する。
 「近江牛イコール美味しいというイメージがありますよね。けれど『近江牛だから美味しい』という伝え方をするのではなく、牛肉の部位に合った調理法や、食事をする環境などいろいろな要素を大切にして、美味しいお肉がある食卓を提供したいと思っています」。
 弥生さんの作るハンバーグに入る牛脂は、機械を使わず手で切り分ける。牛肉の脂は融点が低く、機械挽きは細かすぎて焼くうちに溶けてしまうそうだ。手で切り分け、ある程度脂の大きさを保つことで、焼いても肉汁があふれるジューシーな仕上がりになる。筋肉質で赤身が濃いすね肉を使うのも牛脂と赤身とのバランスも大切に考えているからだ。
 「私たちは赤味が好きですね。焼いたときお肉のエキスが赤いジュースのようにあふれる感じを気に入っています。ディナーコースでは3種の部位を食べ比べていただけます。自分はどういう肉が好きか、比べることでわかっていただく機会になってほしいです」。

180gのハンバーグ

 ふたりとも牛肉を、食べることをこよなく愛している。
 台所に立ったことがある人ならば、加熱しすぎて肉がパサパサになってしまった経験が一度はあるだろう。素材の持ち味を生かすも殺すも必要なのは技術だけではないこともわかっていた。お箸を入れたときハンバーグの肉汁があふれるジューシーさを目指しはいるが、それはある程度までと諦めた。あの瞬間を味わうにはふらりと「おにくや食堂 Suehiro」を訪れるのが良いと悟った次第である。 

おにくや食堂 Suehiro

滋賀県長浜市元浜町6-22
定休日 火曜日 / tel.0749-62-0472
ランチ 11:00〜15:00 / ディナー 金・土・日・祝日のみ 18:00〜22:00(要予約)

ランチ: ハンバーグ1,575円、近江牛丼1,260円、和風近江牛すじカレー1,050円(すべて小鉢、吸い物、ご飯付)
ディナー: ステーキをメインにしたコース制で3,500円、4,500円、5,500円がある。3種の部位食べ比べは4,500円〜

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

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