大一大万大吉 干し柿入りパウンドケーキ

バニラビーンズ

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 2010年10月7日更新

干し柿とクルミを使ったパウンドケーキ「大一大万大吉」

 洋菓子工房「バニラビーンズ」は実店舗をもたず、FAX、ネット注文でお菓子を販売しているバーチャルショップである。チーズケーキやかぼちゃプリンなどは巷で噂の人気商品だ。お店のホームページには「大一大万大吉」という商品カテゴリーがある。今回はこの「大一大万大吉」という干し柿とクルミを使ったパウンドケーキの話である。
 今年は戦国武将石田三成の生誕450年にあたる。戦国ブームでもあり、三成の生誕地・長浜市石田町や、居城・佐和山城跡は人気スポットになっている。石田三成の旗印「大一大万大吉」を戴いたこのパウンドケーキは、今ほどのブームが訪れる以前、2008年から販売されている。
 店主の角川年正さん(44歳)は高校生の頃からの三成ファンなのである。
 「彦根出身の僕には、佐和山城があったということも三成への関心を高めることになりました。三成に関する歴史が気になるというよりも、一人の人間として好きなんです。のちに三成のファンがインターネットでつながる『オンライン三成会』に加入し、会員の間で三成にちなむお菓子を作ろうという企画が生まれ考案したものです」。

特注したという大一大万大吉の焼印

ポイントは、生地に混ぜ込まれている干し柿だ。石田三成にはこんな有名なエピソードがある。
——関ヶ原の合戦に敗れた三成は処刑間際に湯を所望した。警護人が「湯はないが、ここに干し柿があるのでそれを食べるように」と言うと「柿は痰の毒だから食べない」と答えた。「首をはねられる者が毒断ちはおかしい」と笑われても「大義を思うものは最期まで命を惜しむ。本意を達成するためだ」と超然としていた。(茗話記)——
 「三成にゆかりのある食材を使おうとは決めていたんです。干し柿は三成は食べることを辞しましたが、あえて供養になればと思っています。推測ですが、柿は実は痰の毒ではなく、漢方では痰の薬だとあります。それを食べなかったのは、三成公の矜持(プライド)だったと思うんですね。」

 干し柿は多賀町の知人の自家製を分けてもらい、ラム酒に漬け込んだものを使い、表面には特注したという大一大万大吉の焼印が押されている。ちなみに、「大一大万大吉」は「一人が皆のために、皆が一人のために尽くせば、天下は幸せになる」との意味だといわれている。
 焼印の部分を誰が食べるのか、問われそうである……。

 

バニラビーンズ

注文・お問い合わせは、ウェブサイト・FAXで
TEL & FAX: 0749-27-4095
http://www.va-beans.com/

「大一大万大吉」1本1,300円、クッキーとのセットなどもある。注文後、発送。彦根周辺は配達。配達可能エリアなら生ケーキの注文もできる。多賀SA下りでチーズケーキ・かぼちゃのプリンを販売中。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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