お気に入りのTシャツを見つけに！

　長浜の古着屋さん「tetra」（テトラ）をふらりと訪ねることがある。青空のような看板、たくさんの植物、男女のマネキンが目印だ。
　3年前にオープンしたtetraはメンズレディースの輸入古着が並んでいる。ジーンズやスウェット、カットソーなどアメリカンカジュアルのテイストをメインに、ロマンティック系のスカートやアクセサリーなどもある。
　「古着というと若い人が着るもので汚れているというイメージをもたれがちですが、大人でもかわいく、かっこよく着ていただけるような仕入れを意識しています」と店主の田中友紀子さんが教えてくださった。

　田中さんがTシャツ好きとあって、tetraでの楽しみのひとつはTシャツ探しだ。くたっとした生地の質感と色落ち具合は、古着ならではの良さがある。何よりプリントがかっこいい。バットマンなどアメリカンコミックのキャラクターやコカコーラのロゴなんかがいい感じに古びている。
　「昔愛されてそして今、もう一度着ようと思えるデザインがあるってすごいと思うんです。その服にそれだけの価値があるということですよね。全身古着でコーディネートしなくても、ひとつ古着をプラスすることでオリジナルの着こなしをしてもらえればうれしいですね」。

　tetraはギリシア語で4という意味をもつ。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よしについでにもうひとつ付け加えてみたという感じです」。田中さんにとって4つ目の「よし」は環境ともいえる。2年前から友人と「ロハスタイル」というエコチームを作り、参加者を募り湖岸の清掃活動を続けている。時代を経ても着たい服と同じように、好きな琵琶湖がきれいであってほしいという思いが、たまたま環境というキーワードでつながっている。
　実は先日、ロハスタイルの活動を覗かせていただいた。空は晴天、爽やかな風が吹く朝のことだ。場所は長浜市のさいかち浜付近。初参加の私を含めて5名で3時間半、16袋のゴミを回収した。
　お目当てのTシャツを見つけた一瞬……のように、何かが新しく置き換わるものがあることを知った。
　「tetra」プラス「ロハスタイル」は、私にとって「三方よし」プラス「気分よし」だったりするのである。

【青緑】