なつかしくて新しい揚げパン

ぱんげあ

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 米原市 2010年2月18日更新

給食の店番メニューといえば揚げパン

 「好きだった学校給食は」という話になると、必ず話題になるのが揚げパンのように思う。揚げパンが給食メニューになかった地域に住んでいた私にとって、その具体的な姿や味は未知のものだった……。
 旧近江町に揚げパン専門店「ぱんげあ」がオープンしたと聞いてさっそく訪れた。揚げパンに憧れに似たものが生まれていたのかもしれない。「ぱんげあ」は米原市内の社会福祉法人「湖北会」の「ライフまいばら」を利用される方々が働くお店である。

 「ぱんげあ」で揚げパンを注文するときのポイントは3つある。 まず、パンのサイズ。定番の「Lサイズ」はコッペパン程度の大きさで、ひとまわり小さい「Sサイズ」もある。次に「あっさり」、「ふつう」、「ジューシー」のいずれかを選ぶ。これはパンの揚げる時間の長さである。揚げる時間が数分ずつ違い、ジューシーの場合、サイズにもよるが5〜6分。これでパンの外側の食感が違ってくる。味つけは、定番のシュガーやきなこの他に抹茶やカフェオレなど6種が揃っている。サイズ、揚げ方、味の3つを組み合わせていけば36通りにもなる。

好みに合わせた揚げ具合が選べる

 揚げパン初心者ということでもあり、大いに迷う。一番迷うのは揚げ時間だ。「好みがありますから、最初はふつうを選んでいただいて、それを基準にお好みに合わせてください」と店舗責任者の高木和也さんにアドバイスしていただく。揚げ時間が長いということはそれだけ油を吸うことでもある(ダイエットやら胃弱やらの文字が脳裏を横切るが……)。「ジューシー」という言葉の魅力には勝てない。使命と覚悟し、「あっさり」も「ふつう」も食べてみることにした。
 「じゅわっとさくっとしていますよ」の高木さんの言葉通り、ジューシーはほどよくかりっとしている。油の配合や温度には苦心したというだけあってぎとぎとしていない。パンの表面にまぶされた砂糖の食感もアクセントになっている。なんといっても揚げたてというのがいい。やさしい甘さと温かさが胃にしみていく。

36通りの組み合わせで注文できる

 ところで、ぱんげあというお店の名前。かなりインパクトのある響きである。パンゲアというのはかつて地球上に存在した超大陸のことで、今のように陸地がバラバラにあるのではなく、ひとつの大きな塊だったというのだ。「パンゲア大陸はその後バラバラになって今の地球上の各大陸になっています。私たちも子ども時代はひとつの地域で過ごしますが、大人になればさまざまな場所へ飛び立っていきますよね。かつて過ごした場所へまた戻ってきたときに利用していただけるような、そんなお店をめざしています」と高木さんが教えてくださった。「ぱんげあ」のイメージがよく伝わってくる。
 カフェスペースは「揚げパン片手に語らいの場になれば」と設けられたものだ。今後も味つけのバリエーションが増えていくという。豊富な組み合わせに迷い、誰もが抱くパンゲアを想ってみるのも、楽しいかもしれない。

 

ぱんげあ

滋賀県米原市顔戸1058-1 フタバヤ近江店南側
TEL: 0749-52-6188
営業時間 10:00〜18:00 月曜休

揚げパン(S)100円、(L)120円、他ドリンクなどもある。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

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